株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 今日のお勧め図書は、『米国はどこで道を誤ったか』。


 副題は、「資本主義の魂を取り戻すための戦い」です。


 著者は、ジョン・C・ボーグル氏。


 インデックスファンドの創設者といってもよく、インデックス派の方なら名前は聞いたことがあると思います。


 内容は、ここ最近の米国で見られた資本主義のあり方を再考しようというものです。


 ファンド資本主義への警鐘、企業統治のあり方に対する警鐘など、多くの示唆を含んでいて、とても勉強になります。


 もちろん、投資についても多くの指摘がなされていて、興味深かったです。


 一例を挙げますと、「いま配当性向が低いなら、将来力強い増益が見込めるとの説は再考を求められる。」という指摘。


 平均すると、配当性向がとくに低いグループの将来の増益率は年率3%と、とくに高いグループの7・5%に比べて、年率でじつに4・5ポイント低くなっているのだそうです。


 もちろん、全体的に見てということであり、配当性向がゼロ%でも力強い増益を達成する企業はあるでしょう。


 しかし、多くの場合、留保利益はより良い投資先に向かわず、凡庸な経営者によって浪費されている事実がうかがえます。


 この他にも、長期投資において参考になる有益な指摘がたくさんありました。


 インデックス派にも、そうでない方にもお勧めです。


 読んで企業や投資についての色々な問題点について考えてみると、それぞれに良い答えが得られるでしょう。


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 今日のお勧め図書は、「ドラッカー365の金言」です。


 マネジメントの巨匠、ピーター・ドラッカー氏の幾多の著作から数々の至言を集めた本で、1日1ページ、読む構成になっています。


 もちろん、一気に読んでも全然構わないのですが、聖書のように毎日毎日開いては自己啓発に努めるという使い方もできます。


 経営のバイブルといったところでしょうか。


 本の厚みほどには文字数が多くないので、多分、一気に読めちゃうと思います。


 ドラッカー氏は既に亡くなられたのですが、その経営思想は恐らく永遠に生き続けるでしょう。


 今現在、先進国で起きている事象、今後起こりうる事態についての深い洞察も素晴らしく、生き方を考える上でも多くの示唆を与えてくれると思います。


 で、なんでいつも経済の本や経営の本を取り上げるのかというと、長期投資にとって株価は当面どうでもいいことだからです。


 上がったのか下がったのか、皆が買っているのか売り逃げているのかは、お猿の金太郎氏でも分かります。


 それよりまず大事なのは、自分がマネジメントするつもりで会社を見ることで、その上で、事業ポートフォリオを組むように株式のポートフォリオも組むべきだろうってことだと思います。


 とにかく、良いビジネス、良い会社、良い経営者、良い従業員を中心に据えて選ぶ。


 そのためには、自分自身が良い経営者になって良い会社をつくるつもりで既存の会社を見る。


 でもって、企業買収するつもりで株式を買っていく。


 当然、良いビジネスを売られている安い時に買うことになる。


 長期投資家を見ると、皆、程度の差こそあれ、こんな視点でやっているような気がします。


 「ドラッカー365の金言」は、良い企業の選択に御利益がありそうな本ですよ、ということです。


 ドラッカー氏は生前、「ビジョナリー・カンパニー」の著者ジム・コリンズ氏にもアドバイスを送っているようです。


 資本主義の大国アメリカでこのような思想が脈々と受け継がれているあたり、その懐の深さも再認識させられました。


 まあ、また日本が独自の経営を固めて、追いついていく予定なんですけどね。(←どこまでも楽観的です。)


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<問題1>


 ここに100万円があります。この100万円を2人で分けるように指示されました。どのくらいの率で分けるかは、あなたに決定権があります。あなたの決定を相手が受ければ、その額でお金が分配されます。但し、あなたの提案を相手が蹴れば、2人ともお金をもらいそこねます。あなたが、できる限り得をするように分配率を決定しようとすれば、あなたは、いくらのお金を相手に提示すべきでしょうか。







<問題2>


 100人が1~100のうち好きな数を選択し、選択された数の平均から3分の2に最も近い数字を選択した人に、100万円の賞金が与えられます。あなたがこのゲームに参加する場合、あなたは1~100のうち、どの数字を選ぶべきでしょうか。







<問題3>


 あなたは強盗罪の共犯として疑われ、別件の窃盗罪で逮捕・勾留されています。あなたには共犯者がおり、それぞれ別の取調室で取調べが行われることになりました。あなたが強盗について自白すれば、あなたの刑は軽くなりますが、共犯者の刑は重くなります。逆に、あなたの共犯者が自白すれば、共犯者の刑が軽くなりますが、あなたの刑は重くなります。共に黙秘すれば、両者共に刑は軽くすみます。共に自白した場合、両者共に重い刑が科せられます。互いに連絡をとれない状況で、あなたは自白と黙秘、どちらの行動をとるべきでしょうか。







<問題4>


 以下の2つの状況において、従業員であるあなたはどちらがより好ましいと感じるでしょうか。

A 従業員に報いるため、5%の賃上げをあなたの会社が決定した場合。インフレはない。

B 従業員に報いるため、10%の賃上げをあなたの会社が決定した場合。但し、インフレ率は6%。







 本文中の問題と変えてますので、僕の無理解が露呈しているかもしれませんが、どういう答えを出しましたか?


 出した答えは、多くの場合、標準的経済学が議論の前提としている合理的経済人の出す答えと異なっていると思います。


 それは、友野典男・明治大学教授の『行動経済学』という本を読めば理解できるでしょう。


 経済学の話を読んでいると、時折、効率効率といって数字や数式をいじくり倒しながら、実際に経済を動かす人間についての考察がまるっきり欠けているような印象を受けます。


 行動経済学は、こういうアプローチではなく、経済の背後にある人間の選好にスポットライトをあてるものです。


 様々な検証の結果を見ると、どうやら合理的経済人というのは実際の世界では存在しないか、存在したとしても実際の経済はそのような人の行動によって動いているわけではなさそうです。


 つまり、今までの経済学の前提がそもそも間違いかもしれないという、なんともいえない悲しいお話ですね。


 この他にも、1000円の利得と1000円の損失では、その絶対値は後者の方がおよそ2倍から2・5倍も大きいとか、貨幣錯覚のお話(問題4に関係します)とか、理由があれば選ばれるとか、真ん中が選ばれるとかいった、ドキッとするような指摘がたくさんあります。


 それから、満足化人間と最大化人間についても書かれてました。


 最大化人間というのは、常に最良の結果を求める人種ですが、そのような結果は得られるはずもなく、従っていつも満足できずに不幸な気持ちで過ごすそうです。


 逆に、満足化人間は、最良の結果を求めるわけではないので、最大化人間より社会的地位が低かったり、収入が少なかったりしても幸せだと感じるそうですよ。


 投資でもありがちですよね、こうした方が儲かったとか、あっちのやり方の方が良かったという気持ち。


 とても面白いので、是非、読んでみてもらいたい本です。


 なお、行動経済学については、もう1冊、『セイラー教授の行動経済学入門』も出ていますが、友野教授の『行動経済学』の方がとっつきやすいと思います。


 まず友野教授の方を読んでみて、それから興味があればセイラー教授の方も読んでみるとよいでしょう。







<覚えておきたい偉大な経済学者のお言葉>


「経済学を学ぶ目的は、経済の問題に対して一連の出来合いの答えを得るためではなく、どうしたら経済学者に騙されないかを学ぶことである。」

  ジョーン・ロビンソン 『マルクス、マーシャル、ケインズ』より


「純粋な経済人は、事実、社会的には愚者に近い。しかし、これまでの経済理論は、そのような単一の万能の選好順序の後光を背負った合理的愚か者に占領され続けてきたのである。」

  アマルティア・K・セン 『合理的愚か者』より







 セン教授、株式市場には「合理的愚か者」がたくさんおると思うよ………なんとなく。


 上の問題の答えは、コメント欄に書いておきます。


 でも、頭の弱い配当金太郎氏の理解ですので、間違いがあるかもしれまへん。


 実際、本を読んで自分の頭で理解するのが良いと思います。


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 日本の優秀企業研究は、日本のビジョナリー・カンパニーを財務状態等から選択し、共通する条件は何かについて考察した本です。


 『ビジョナリー・カンパニー』と同じく、とても勉強になる本です。


 違いと言えば、『ビジョナリー・カンパニー』が企業評価の尺度として株価を用いていたのに対し、こちらは売上高経常利益率や純利益といった指標で選んでいることです。


 株価が落ち込んでいる時期に書かれたこと(2003年初版)、株価に対しては「株価などは、企業競争力の遅行指標なのである。」として、著者の新原さんが懐疑的な見方をしていることが影響しているのでしょう。


 このあたり、アメリカと日本の違いかなと思い、興味深いものがありました。(実際、『ビジョナリー・カンパニー』を意識されたのかなと思う記述も見受けられます。)


 ただ、選ばれた企業群を見ると、ほとんどの企業の株価が上がっています。


 長期投資の参考になる本だと思うので、お勧めしておきます。


 因みに、選ばれた企業群は以下の通り。







 花王、キヤノン、シマノ、信越化学工業、セブンイレブン・ジャパン(現7&iHD)、トヨタ自動車、任天堂、本田技研工業、マブチモーター、ヤマト運輸







 冒頭では、新原さんがたどりついた優秀企業の基本的条件が簡潔に記されています。







 自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、


 愚直に、真面目に


 自分たちの頭できちんと考え抜き、


 情熱をもって取り組んでいる企業







 そして、この結論に至るまでの優秀企業の6つの条件が詳細に検討されています。


 投資していると、色々と感じることも多いと思いますよ。


 上記企業群では、マブチモーターの株価が元気がないですね。


 そういや、ロボット関連銘柄でもありましたよ。


 モーターは必需品ですもんね。


 今後、巻き返してくるでしょうか。


 馬渕元社長の、「利益は社会貢献に見合った限度でよい」という考えを示すエピソードも書かれていて、興味深かったです。


 利益、利益、言うて全然利益をあげられない企業もあるのにね。


 ここも金太郎さんの欲しい欲しい病に引っ掛かる企業さんですよ。







 『ビジョナリー・カンパニー』と同じ点は、優秀企業の条件として利益以外の大切な価値観を企業文化に埋め込んでいるとの指摘。


 一歩秀でている点は、企業を大事に思う優秀な社員を自社内で育てていることの指摘。


 優秀な人物を集めるだけでは、長続きしないってことでしょうね。


 『ビジョナリー・カンパニー』と合わせて読むと良いでしょう。


 結局、優秀な企業は国によって違いなどないってことなんでしょう。


 海外の個別銘柄に投資する際も、気を付けておきたいです。


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 今回のお勧め図書は、歴史が教えるマネーの理論という本です。


 著者は、飯田泰之・駒沢大学准教授。


 感想は、「へぇ~」がたくさん詰まっていて面白いから、とにかく皆さんも読んでみて下さいの一言です。


 飯田准教授の専門は経済政策で、この本は歴史上の金融政策や経済事件を題材に、様々な経済学の理論を紹介してくれます。


 ランダムウォーク理論やジョージ・ソロスのチャートなど、投資と関わりのある題材も入っています。


 江戸時代の通貨についても、細かに説明されていて、中期から後期にかけて行われた改革の意味も説明してくれています。


 歴史小説や時代劇が一段と楽しめそうですよ。


 それから、新古典派経済学の貨幣理論なんかも出てきます。


 読んでいると、とても緻密で論理的なものに感じてしまいます。


 リベラル派経済学が勢いを失うのも、なんとなく分かりそう。


 内容も平易な言葉で書かれているので、理解しやすいでしょう。


 駒沢大学の学生が羨ましいのう……。


 経済を理解する一助になってくれるはずです。


 物価や為替について考えさせられる内容なので、投資にもきっと役に立つと思いますよ。





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