株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 株主にとって、それはそれは恐ろしい「赤字」について、投資体験をもとに対処法を考えてみます。


 会社は資金繰りさえつけば事業を継続していけますので、極端な話、大赤字で株主資本をすっ飛ばし、債務超過の状態に陥ったとしても、取締役や従業員さんはそれなりの報酬と賃金を得て業務を行い続ける場合もあります。


 これは投資を始めてから、会社の経営や会計をかじってみて学んだことで、当初は赤字で株主資本がなくなれば、即、倒産と思っていたので意外な事実でした。


 この場合、黒字を続けて、あるいは、新たに資本を入れることにより適切な資本が確保され、利益剰余金が出るようになるまで、株主は配当なしです。


 上場廃止になったら、市場を通じて売却することもできません。


 え、何でこんなことを書くのか?


 ふっふっふ、何を隠そう、強烈な債務超過で上場廃止になって、いまだに事業を続ける某企業を保有しているからなんですね~。


 (↑ あ、またあほがばれた。)


 今年も報告書が来たのですが、株主資本がン十億円のマイナスになっているバランスシートはとっても素敵です。ww


 ちなみに、今年は何と数億円の利益が出たので、ちょっとマイナスが埋まったんですよ~、いえ~い!


 参考までに、貸借対照表の株主資本の欄をば。


 企業名はひみちゅ。(マザーズには注意しましょう。)


純資産の部
 株主資本        △2,566,893
  資本金         3,361,473
  資本剰余金       3,402,585
  利益剰余金      △9,330,952


 どう?


 すっごい焦げ付いているでしょう~!


 資本金と資本剰余金はプラスで、利益剰余金がマイナスという書き方になるんですね~。


 会社債権者保護のために、株式会社は、いざというときの引き当てとなる資本だけでなく、資本剰余金の積立を強制されるわけですが、その形式を会計の表記上は保っているということでしょうか。


 すごいですね~。


 勉強になりますね~。


 真似はしないでくださいね~。


 ………しくしく。 (T_T)


 詳しく見ると、1年以内に返済しなければならない流動債務と現金化の容易な流動資産との比率である流動比率は100%以上を保ち、多額の現金を持っていて、当面の資金繰りの問題はクリアしているようにも見えます。


 しかし、実際は期限の利益がない状態で、いつ資金ショートしてもおかしくない、まさに綱渡り経営です。


 期限の利益というのは、銀行などから金を借りた時に、この期限までに利子をつけて返さなければいけないという返済義務を裏返して言った言葉で、この期限までは返済を強制されないという債務者(金を借りた側)の利益のことです。


 もちろん、これは債務者の信用によって債権者から与えられる利益ですから、大赤字で債務超過のような信用のない企業に与えられるわけはありません。


 状況次第で、いつカネ返せって言われるか分からないので、常に資金ショートと背中合わせというわけです。


 悲しいです。


 つらいです。


 くれぐれも真似しないでくださいね~。


 ……しくしくしく。 (T_T)


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続きだよ


 赤字は地獄への一里塚であり、株主からいえば、自分の株主持分を減らされたことになります。


 また、企業経営がおかしくなっていることのサインでもあります。


 従って、赤字(四半期の赤字でも問題ですが、ここでは通期の赤字としておきましょう。)は出した瞬間に、即、「何してけつかんねん!」と叫んで縁切り、売却してもいいくらいのもんです。


 この前提は、投資、少なくとも長期投資においては意識しておくべきことだと考えています。


 その上で、復活を待てるだけの信頼が会社、経営者、経営陣に対して残っているのかを考えるべきです。


 信頼ができるのであれば、株価は下がっているでしょうから、買い増しのチャンスです。


 そうでないのなら、「縁切り」ということになるでしょう。


 なお、2年以上にわたって赤字を出す企業や、景気の変動に対して「確実に」赤字を出す企業というのは、事業自体に何らかの問題を抱えていると思います。


 景気や業績の変動による株価の上下動を捉えて、3~5年で売却するつもりなら、このような企業で値幅を大きく抜ける可能性はあるでしょう。


 しかし、難しい投資になると思います。


 ちなみに、うちのバフェットじっちゃまを見ていると、このような難しい投資を避けているように思われます。


 (赤字を出す企業は評価しないという文章は、バフェット本で見た記憶があります。)


 なので、景気が良くなる場面ではバークシャーのパフォーマンスは相対的に悪くなり、景気が悪くなる場面では良くなる傾向があるのでしょう。


 そして、全期間を通じてみると、素晴らしい投資成績となっているというわけです。


 どういった投資戦略をとるかは、個々人の能力にもよると思いますが、急激な経済的衝撃が襲ってきた場合に、余裕をもって対処するという観点や、そもそも初めから売りを考える投資は難しいという観点からは、バフェットじっちゃまのような投資スタイルがいいのかなと思います。


 実際、リーマンショック後に自分で組んでいたポートフォリオは景気敏感株中心で、大きな上下動を捉えて、その後の戻りで利益が出る状態まで返りました。


 しかし、安心して保有できない企業が複数含まれており、そのままのポートフォリオを維持することは適切ではないという判断をして、部分的に組み替えてきました。


 日々、移り変わる状況に対して、自分も新たにもたらされる情報に張り付いて判断しなければならないというのは、個人投資家にとって非常に負担が大きいと思われます。


 そんなことをしなくて済む事業や経営者のところに大切なお金を託しておいた方が楽ですし、長期の成績もよくなるのではないでしょうか。


 そうした上で、株価が下がっていれば、すぐに買い増しすればいいわけです。





 実際に赤字を出したれた場合、最高責任者である経営者の態度はよく観察しておくべきです。


 金融危機後、最悪に酷いケースを3つ見ました。


 残念なことに、すべて外国人社長で、うち1つは実際に保有していた企業です。


 赤字を出したにもかかわらず、「優秀な人材に来てもらうには、高額報酬にする必要がある」といった理屈にもならないことを言いたれて、高額報酬を正当化していました。


(これは論理破綻もいいところです。優秀な人材獲得のために高額報酬が必要なら、優秀な人材にのみ高額報酬が支払われるべきであり、赤字を出してリストラをするような無能な人材に支払う理由にはなりえません。理由になるとすれば、立て直しのために必要な人材を現経営陣以外から呼んできて、現経営陣を経営から外した上で、呼んできた優秀な人材によって現実に経営の立て直しが行われた場合です。つまり、現経営陣が巨額赤字を出すほどに経営において無能であるばかりでなく、指導層なら当然備えているべき論理的思考能力すら欠いていることを、この事例は示していることになります。さらには、対価を与えずに人の財布から金をすりとるという、事実上、半ドロボウ行為の正当化であり、倫理的道徳的観点からも問題でしょう。これは企業にとって、大変に危険な兆候ではないでしょうか。)


 長期投資の基礎にあるのは、投資先の企業との信頼関係です。


 このような経営者を信頼できるわけもなく、理解することもできないというのが、大抵の投資家が抱く感覚ではないでしょうか。


 従って、即、縁切り決定です。


(実際の売却は、短期的な戻りを待つという方法もあります。但し、ズルズルと株価が下落した場合、誰かさんのように、イヤ~な思いをすることになります。w))


 このような企業は、当然、業界における地位も低下、劣後していると思います。


 より優秀な乗り換え先の企業には事欠かないはずです。


 なお、特に大企業の社長は、会社の人事権を通じて会社経営に、また広告料を通じてマスコミにも影響を及ぼしうる存在です。


 まっとうで正面切った批判にさらされることは、実際に不祥事でもない限りほとんどありません。


 従って、個人投資家の立場からは、客観的事実をもとに自分の目と耳と心で判断するしかないのかなと思っています。


 正面切った批判はなくとも、マスコミの記者さんもおかしいと感じながらオトナの事情で事実の報道だけに止めているんだろうなというニュースや記事は見かけますから。





 赤字を出した場合、最低限、最大の責任者である代表取締役の辞任や報酬減額により、責任の所在が明確化される必要があると思います。


 この責任の引受が経営者によってなされない限り、ダメ企業の道一直線です。


 経営規律を取り戻すことは難しいでしょう。


 なぜなら、優秀企業に共通の文化とは責任の文化であり、それは会社を代表する人間に現れるからです。


 残念ながら、機関投資家など多くの議決権を持つ株主は、半永久株主として議決権を行使し、会社経営の適正を図るなんてことはどうでもいいようです。


 サイレントマジョリティなどと呼ばれているみたいですが、ダメになればなったで、さっさと売り逃げればいいということなのでしょう。


 アメリカと日本の機関投資家の違いでもあるようですが、だからといってアメリカ企業でいつも理想的な企業統治が行われているというわけでもなく、なかなか難しいところです。


 創業家など責任をもって経営を見守ることのできる大株主がいる企業もありますが、肝心のその株主自身が腐っている場合もあります。


 (某製紙会社の場合を想起してみてください。)


 いずれにしろ、個人投資家にとっては、信頼できない企業からはさっさと撤退することが最善の策になるかと思われます。





 会社に関わる人のうち、誰が利益を得ているのかは、よくよく見ておく必要ありです。


 最善なのは、全員が利益を得ていることです。


 ありえないと思うかもしれませんが、消費者は企業からモノやサービスを手に入れて嬉しいと思い、従業員は労働力を提供して適正な賃金を得たと思い、地域社会も雇用や税金などで潤ったと思い、株主もまた利益が株価や配当に反映されて儲けたと思い、取締役も適正な報酬を得て利益を得たと思う、このような理想的な関係が、うまく経営されている優秀な企業には見られるはずです。


 万が一、利益が落ち込んだ場合にも、皆で「残念、損しちゃったね。また頑張ろうよ。」という関係が維持されている企業。


 自分がそう思えるような企業を探せば、きっと素晴らしい投資になると思います。