株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 総会決議で退職慰労金を求める企業がある。


 エーザイでは既にこの制度は廃止している。


 なぜかというと、不透明な資金供与だから。


 退職慰労金の前に、通常の報酬を考えてみよう。


 取締役の報酬は総会の決議事項とされるが、日本では全員の総額を示して賛意を得る方法が一般的。


 しかし、突出して報酬を分捕る取締役にとっては、格好の隠れ蓑になる。


 いろいろと見てきて、基本的に報酬は個別開示であるべきで、特に額の大きい取締役ほど、開示が要求されると思う。


 取締役の間での報酬の配分は基本的に取締役会で決めれば良いが、誰にいくら払っていてそれが適正であるかどうかの最終的な判断権は、株主にあると考えるべきだ。


 そうでなければ、最も公平さの有無が現れるカネの話がうやむやにされることになり、企業内の利益配分の適正さも外部から分かりにくくなる。


 ここまでは、通常の報酬の話なんだけど、問題の退職慰労金はさらに不透明。


 在職中の報酬の後払いのような感じで、社内規定に照らして支払われる。


 で、その社内規定なるものは、外部からはよく分からず。


 一般の株主からすれば、いくら抜かれたのかは全然分からない。


 で、なんでこういうことになるのかというと、取締役の報酬と違って、退職慰労金は退職する取締役が1人だけということがあるから。


 総額を示して一括認定ということになると、1人に支払う場合に、個別の額がバレてしまう。


 そもそも報酬の個別開示を原則にしないから、こういうところで本来の制度趣旨から外れたことをやらざるを得なくなるのである。


 それに退職慰労金自体も、何のためかよく分からない制度。


 プライバシーがどうのこうのという話もあるが、報酬を総会決議にしているのは取締役のお手盛りを禁止するためなのに、判断基準さえ与えてもらえないのは、どうも釈然としない。


 個別具体的な金額は差し控えるとしても、社内規定をきちんと開示するくらいのことはやってもいいはずだ。


 そんなこんなで、決議案を見るたびに、『否』に丸をつけて送り返している。


 昔のように、持ち合いでなあなあ、経済右肩上がりでぬるぬると経営をやっていた頃とは違う。


 個人株主の数も増えているし、株主の大部分は年金などの機関投資家だ。


 つまるところ公開会社の資本は世界中の皆々様からの預かりものであり、会社の資金は透明性をもって誰にでも説明がつく形にすべきだろう。


 この制度の有無を通じて、保有企業がきちんとした企業統治に前向きか否かの判断材料にしてみるのもいいと思う。


 「よく考えたら、これっておかしくない?」ってことが、結構ある。


 きちんとやってないと、個人株主にしっかりと保有して応援してもらおうなんてことはおぼつかなくなる。


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