株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 外国株について、感じていることを書いてみたいと思います。


 外国株に投資するリスクは色々とありますが、さわかみファンドの澤上のおじさんが最も怖いと仰っていたのが「為替リスク」だったと記憶しています。


 もっとも、これについては日本の国際優良企業も同じであり、海外で事業を展開する企業であれば、多かれ少なかれ為替変動の影響を受けてしまいます。


 ただ、日本企業と外国企業の違いと言えば、日本企業があくまで円資産をベースにしているのに対し、外国企業は自国通貨をベースに事業を見ていることではないかと思います。


 つまり、日本企業なら円資産の最大化を、外国企業であれば自国通貨建資産の最大化を目標にしていると思います。


 私たち日本人がやらなければならないことは、日本に住み続けようとする限り日本企業と同じく円資産の最大化です。


 円を使って生活する以上、円での購買力を高めなければ、意味がありません。


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 さて、ここでアメリカの代表的な企業を500社集めたS&P500という株価指数と東証株価指数に登場してもらいましょう。





1968年1月2日   S&P500   90・2ポイント

1968年1月4日   東証株価指数   100ポイント





 現在、東証株価指数が800ポイント、S&P500が1100ポイント前後です。


 おお、さすが資本主義の大国アメリカ、投資成績は遥かに上をいっているではありませんか。


 と思うかもしれませんが、この時の為替レートは1ドル360円。


 現在は80円近くです。


 つまり、およそ40年間で10倍以上に増えたドルベースのポイント分を、為替レートが大きく減殺しています。


 アメリカ企業は資本の効率性や世界最大の市場を通じた企業規模・その拡大のスピードなどの点で優秀ですが、インフレや通貨価値の下落により、高い下駄を履いているのかもしれません。


(インフレでは預貯金や債権の利率も跳ね上がり、保有資産の評価額も上昇し、放っておいてもそれなりの業績を残せます。5%程度のインフレ率で5%程度のROEというのは、保有資本に対して全く価値を生じていないことになります。バフェットじっちゃまが、「5%程度の資本効率では投資が失敗に終わる」と言っているのは、このためです。例えば、自己資本比率100%で主に国債に投資する投資会社を設立した場合を考えてみるといいです。この会社は、国債の利回りが5%のとき、保有資本を国債に投資しROE5%を達成することになります。5%程度でインフレが進むとき、このような会社の株式に投資すべきでしょうか。逆に、デフレで通貨価値が維持される国での高い資本効率は、実態以上に大きな価値を生んでいる可能性があると思います。)


 アメリカにはROE30%なんて日本のヤフー並みの企業がゴロゴロしていますが、長期的な通貨価値の下落を考えれば、円換算で見た場合、かなり割り引いて見ておく必要もあるのかなと考えています。


(この他にも、法人税率の高さは最終利益に影響を及ぼし、従って資本効率を低下させます。高い法人税という重荷を背負っている日本企業は、税制改正の面からも大きな可能性を秘めているといえそうです。)


 このように、為替リスクの真の怖さとは、短期的な為替の変動ではなく、長期的に通貨価値が下落していくことではないかと思います。


 円資産の最大化を図ろうとする場合、長期的に最も安全かつ効果的な投資対象は、澤上のおじさんの仰るように日本株式なのではないでしょうか。





 では、外国株が買いではないかというと、そういう訳でもありません。


 為替その他のリスクや割高な手数料を考慮に入れても、投資に値する企業は存在します。


 少なくとも、個人的にはそう考えています。


 ただし、日本企業よりも若干難しい投資を強いられることになりそうです。


 まず情報が入りにくいこと。


 インターネットが普及した現在、財務諸表などは見ることができますが、肝心の経営の中身がなかなか分からないと思います。


 いかに財務内容が良さそうに見えても、エンロンのような企業に投資すれば、えらいことになります。


(DVDも複数でていて、レンタルでエンロンのお話は見ることができますから、是非、見ておくことをお勧めします。アメリカの底流にある価値観も垣間見えて興味深いです。)


 大事なのは、時代を超えて通用する経営理念を持ち、それに沿った素晴らしい経営をしているかどうかであって、見せかけの数字だけでは決してありません。


 これはどの国の企業も同じ。


 この点では、財務諸表など読めなくても全然問題はなく、やっていることが正しいかどうか(儲かりそうかどうかではなくて)を判断できる目を持つことの方がよっぽど重要です。


 次に、為替リスクがある以上、できる限り円高の時に買わなければならないこと。


 もっとも、厄介なことに、現在のように日本企業も円高で打撃を受けて安くなっている場合があります。


 この場合は、日本企業の方を中心に考えるべきでしょう。


 結局、明らかに外国企業を買うべき場合というのは、円高株高で外国企業の株価が二重に割安なときではないかと思います。


 より具体的に言えば、1980年代後半、日本で前代未聞のバブルが生じた時のように、外国企業が競争力の低下だなんだで人気がなくて株価が安い状態のときです。


 今後、このような状況が来るかどうかは分かりませんが。


 なお、新興国のように、通貨高株高が予想される国については、いけいけなのでしょうが、先進国以上によく知らない企業が多いのではないかと思います。


 投資でやってはいけないことは、よく知らない投資対象に投資することです。


 これは、たとえ儲かったとしても褒められない投資法です。


 将来、大きなしっぺ返しを喰らう可能性が高いからです。


 また、投資先の新興国がアメリカ化してしまう可能性だってなきにしもあらず。


 通貨の先高感といってみても、かなりあやふやなのではないかと思います。


 逆に、新興国が日本化してしまう可能性だってあります。


 通貨が高くなるような地域に進出して稼ぐことができ、外貨安に対して迅速な対応ができるような日本企業、あるいは、日本国内で成長可能な(場合によっては、海外進出可能な)日本企業というのが理想的なのかなと思います。


 可能な限り幅広く分散せよという現代ポートフォリオ理論、サル以下の投資家が少なくとも投資成績においてサル並みのレベルになれることを可能にした理論には反してしまいますが。


 個人的には色々やってみて、「例え投資成績で及ばないことがあったとしても」、人間らしく投資すべきだと思っています。





 外国株式に投資する場合、どのような投資対象にすべきか、これは人によって答えの異なる問題です。


 人によってよりよく理解できる事業は異なりますし、様々な考え方はそれぞれに価値のあるものです。


 要するに、自分のこれと思える企業を相応の値段で(あるいは、できる限り安く)購入するということに尽きるのでしょう。


 それが分からないから苦労するのだという話もありますが。


 ただ、個人的にこの企業を基準にしてみたらどうだろうかというものがあります。


 いくつかの文献をあたってみたり、商品や事業を見たりして、個人的にこれいいなと思った企業です。


 まず、ビジョナリー・カンパニーで紹介されていた企業の中から、3M、P&G、ジョンソン&ジョンソンの3社。


 P&Gとジョンソン&ジョンソンは、日本の家庭でも馴染みがある企業さんだと思います。


 3Mも住友スリーエムという会社を通じて、日本でも事業を展開していて、身近なところでは文具のポストイットノートが馴染みのある製品です。


 他にも、高いシェアを持つ様々な製品を供給しています。


 名前もMが3つ並んで、究極のM修行である長期投資の対象としてぴったり?


 また、3社の中でも、ジョンソン&ジョンソンの企業理念「我が信条」は必見です。


 以下のURLで、日本法人の日本語訳を読めます。


 http://www.jnj.co.jp/group/credo/index.html


 これこそがビジョナリー・カンパニーの真髄ともいうべき考え方であり、長期投資にも十分に通じるものだと思います。


 3社の他にも、例えば、コーラはアメリカ文化を体現しているような商品であり、コカ・コーラは良い投資対象だと思います。


 個人的には、ペプシの方が好きなので、ペプシコの方がいいんですが。w


 ペプシコは現在、インド人の女性CEO、インドラ・ヌーイがきりもりしていて、やり手なんだそうですよ。


 それから、バフェットじっちゃまは敬愛すべき経営者であり、バークシャー&ハサウェイは投資に値する企業だと思っています。


 じっちゃまの高齢を気にかける必要はないと思っています。


 いつダンプがじっちゃまに突っ込んでも、問題のおきないような経営をしていると思うからです。


 最高の経営者は最高のマネジメントを行っており、自分がいなくなっても大きな問題が起きないようなシステムの構築に万全を期しています。


 とどのつまり、素人が気にするようなリスクは、回避ないし最小化されているものなのです。


 他には、日本にないビジネスモデルを持って世界市場を席巻している、あるいは、席巻しそうな企業。


 米国IT企業には、こういった企業が多いと思います。(但し、変化が激しいので注意は必要)


 以上のような企業を基準に、新興国も含めて他の企業も見ていけば、きっと投資すべき価値のある外国企業が見つかると思います。