株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 最近、電池関連ということで将来性を評価されているジーエス・ユアサが、公募増資を行ったと思います。


 金太郎さん、投資を始めてから株式市場を通じての胡散臭い資金調達ばかり見てきたので、初めて模範的な増資を見た思いです。


 株式会社の資金調達には、銀行などからの借入、社債の発行、増資といった手段があります。


 借入も社債も期間の長短はあれ、返済をしなければならないお金ですし、金利というものが生じます。


 返せないと最悪の場合、資金ショートであえなく破綻ということになります。


 このデメリットを避けることができるのが増資です。


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 その名の通り、新株発行により資本を増やすことによって資金を調達します。


 資本は返さなくてもいい上に、利息の支払もありません。(配当は利益が出た時でいいし、利益が出ても有望な投資先があれば、配当をしないで内部留保し再投資にまわすという選択もありです。)


 もっとも、既存株主の持分の希薄化により、議決権比率の低下はもちろん、1株当たり利益や配当の減少となることもあります。


 これらは株価の下落にもつながりかねないものです。


 これが増資のデメリットです。


 増資には資本の引き受け手の違いに応じて、既存株主への割当、公募増資による一般株主への割当、第三者割当といった種類があります。


 既存株主の利益を考えますと、当然、原則は既存株主に割り当てる方法です。


 ところが、日本の株式市場ではこの原則にとんとお目にかかりません。


 厳格な証券市場制度を構築しているイギリスでは、まず既存株主への割当をするよう会社に求めているといった話を日経新聞で読んだ記憶があります。


 日本の株式会社や証券市場は、既存株主に対して公平でないように思います。


 で、大抵の増資はというと、業績が悪化して資金が足りなくなったので補填して下さいというものです。


 公募増資ならまだいいですが、こういった場合、増資の引き受け手を見つけるのに苦労します。


 そんなこんなで、第三者割当増資を行うことになります。


 ところが、この第三者割当増資は、引き受けてもらうために「特に有利な発行価額」でされる場合が多いです。


 市場価格以下のお値段で払い込まれ、既存株主の持分の希薄化もダブルパンチでやってきます。


 第三者割当が好まれるのは、経営陣にとって都合の良い株主の持分比率を高め、好ましくない株主の比率を薄めることで、会社経営の支配権を維持できるからでしょう。


 この他にも、株価が低迷している間は債権者として利息を受け取り、株価が上がれば株式に転換できるといった条件の「転換社債」も発行されます。


 新株予約権のついた社債もあります。


 これらも、既存株主の持分の希薄化が懸念されます。


 こんな具合で、金太郎さんが投資を始めてから、ろくでもない資金調達ばかり見てきたわけです。


 今回のジーエス・ユアサの増資は、将来への期待感から株価が大きく上昇した後に行われており、有利な価格で大きく資金調達できたと思います。


 株価が上がった後である上に、将来的な事業拡大を見越した「投資」のために増資が行われていて、赤字補填などの後ろ向きな増資でない点も既存株主にとっては良かったのではないでしょうか。


 企業の将来性(価値)が株式市場で評価され、その高まった評価を後盾にして有利な条件で資金調達(増資)を行い、そのお金を有望な投資に向ける。


 こういう増資なら、どんどんお目にかかりたいです。


 もっとも、もう一言付け加えさせてもらうなら、増資なんかいらないという経営が一番良いです。


 外部資金に頼らなければならなくなるというのは、あまり褒められたものではないからです。


 自前で稼いできた内部留保資金を元手に新規投資案件をこなしていくのが、既存株主にとって最もありがたい経営だと思います。


 金太郎さんは、増資を行う(行わなわなければならない)企業への投資はなるべく避けた方が良いと思っています。


 なお、最近、東証が第三者割当増資について、一定の規制をするという報道がありました。


 一定の歯止めにはなるでしょうが、まず「既存株主への割当」という原則論が徹底されるようにしないと、意味がないでしょう。


 既存株主に対し、同じ条件で増資に応じるか否かを最初に聞く。


 既存株主だけでは必要資金を調達できない場合にのみ、その他の増資を認める。


 増資が緊急性を要する場合は、増資を行った後で、同じ条件で既存株主へ払込と株式取得の機会を与える。


 このような形が整って、初めて公平な資本市場と呼べるのではないかと思っています。


 ってなことを書いているうちに、今日もトクヤマが公募増資を発表して売り込まれてましたね。w


 あ、ついでに日本航空の増資にからんで、香港のファンドがインチキをやったなんて報道もありましたよ。


 空売りを仕掛けて株価を下げてから公募増資に応じて、日本航空の資金調達を妨げやがったようです。


(株価が300円から200円近辺に落ち込んでいる時期のことらしいです。)


 やる方もやる方ですが、こういうのを仕掛けられる証券市場しか装備していない日本も情けないの~。 orz