株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 2009年8月9日付、日経新聞第4面「大収縮」に日本企業と米国企業のROEの変遷が出ていました。


 それによると、日本企業のROEは1980年に10%以上を刻んだ後、長期低迷を続け、2007年にようやく10%突破なるかというところで、ぺちっとたたき落とされています。


 バブル真っただ中、日経平均最高値で4万円近くあった時でさえ10%を超えていません。


 こんな時期に日本株に投資するのは、ヒキガエルを王様の待遇で迎えるようなものだったのでしょう。


(これだけ株価が高くて景気も良かったのだから、15%程度の資本効率は達成していたのだろうと思っていましたが、全然そんなことはなかったようです。ちなみに、日経平均の株価純資産倍率は5倍、株価収益率は70倍を超えていた(益回りで1・43%以下)という話を記憶しています。)


 1980年からはズルズルと悪化する一方で、ITバブル崩壊後の2001年にはマイナスを記録。


 ヒキガエルの本領発揮です。 (T_T) 


 これに対し、米国企業のROEはコンスタントに10%以上を刻んでいます。


 改めて日本企業の資本効率の悪さを思い知らされます。


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 記事ではROE重視の弊害も指摘されていました。


 過剰な借金に頼って総資産における資本の割合を落としROEを高めるやり方は、今回のような信用収縮で危機に陥ります。


 ビジョナリー・カンパニー2で紹介されたアメリカのサーキット・シティも、レバレッジに頼る経営に舵を切っていたため、危機をしのぐことができずにあえなく破綻したようです。


 物言う株主の圧力に屈して短期的にROEを高めても、それが持続可能性を持たないのでは意味がありません。


 かといって、稼いだ利益を株主にも従業員にも分配せず、さりとて有利な投資先を探すというでもなくため込むだけでは、ROEはどんどん低下して経済全体も縮小していくことになるのでしょう。


 高い収益を出すように経営を行っていくことは、株式会社の使命と言っていいと思います。


 そうでなければ、雇用も縮小するし、無くなっては困る公共事業を支える税金も納められません。


 また高い収益による余力は、新たな市場参加者を産み、それが新しい需要を産んでいくこともあると思います。


 障害者雇用で2位以下を大きく引き離していたファースト・リテイリングのROEが、20%近くを叩き出していることは注目すべきでしょう。


 結局のところ、高い株主資本比率で高いROEを達成するように事業を構築していくことが求められるのだと思います。


 日本企業は、まだまだ問題点を抱えているのでしょうが、縮む内需を尻目に新興国へ打って出る動きも加速しているようです。


 ヒキガエルが王子さまに大化けすることを願って止みません。


 ちなみに、このアホタレ不景気でも、50%以上の株主資本比率で10%以上の資本効率を達成している日本企業も多数あります。


 特許という鉄壁を持つ医薬品関係、キラーコンテンツという分厚い盾を抱えるゲーム産業、その他、ブランドという城壁で消費者を囲い込む事業などです。


 検索を使って調べてみると、おもしろい発見があります。


 凄まじい落ち込みで大幅に売り込まれた銘柄が大きく上昇する裏で、相対的に戻りの遅い企業さんもありますよ。







<付記>


 日本企業のROEの低さには、法人税率の高さも若干影響しているようです。


 現在、40%前後だったと思いますが、他の新興諸国(例えば韓国)と比べても10%近く高いという話を読んだ覚えがあります。


 税制の問題は各国の事情に応じて様々ですから、一概に高いの安いのは言えませんが、10%高いなら高い分だけ日本企業の国際競争力が高まるような政策を採るべきでしょう。


 高い法人税を生かすだけの政策が採られているかは、ちと疑問も感じるところです。