株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 ジョン・ボーグル氏の本を読むと、彼が創り出したこのファンドが、既に巨大なものとなって「儲かる」ものへと変貌し、運用サイドに問題を生じている印象を受けます。


 インデックスファンドの目的は、本来、アクティブファンドの運用者が頻繁にポジションを動かし、あるいは高額の手数料を取り立てることで、購入者が得るべき事業が生み出す利益を減少させていたのを、会社の実質的保有者であるファンド購入者の利益に戻すことにあったはずです。


 ところが、当初の目的を外れ、運用者が儲かる仕組み、しかも、ほとんど働かなくてよいのに儲かる仕組みに変わっているようなのです。


 本来の目的からすれば、運用資産が巨額になって手数料収入が増えれば、それは手数料の減少等によって購入者に利益を還元すべき筋合いのはずです。


 また、まずいことに運用者は、儲かればいいで入ってくるお金をバックにして、買い付けたあらゆる会社の株式を通じ、議決権を好きに行使できます。


 ところが運用する人間は、必ずしも人品高邁な人間とは限りません。


 そのような人間が、私たちの社会を支える会社の議決権を握ることがどういうことかは、よく考えておくべきかもしれません。


 現在生じている様々な問題も、ここに原因の1つがあることは間違いないでしょう。


 例えば、取締役達が仕事に見合わない高い報酬を受け取っているのに何も言わないとか。


 同じ会社の仲間であるはずの労働者を、危機が来るといとも簡単に切り捨てて、自分の報酬は温存しているようなフェアでない経営者を野放しにしておくとか。


 短期的な利益のみを追求して、売り抜けるために将来の投資に備えた留保利益まで吐き出させようとするフェアでないファンドに対して、きちんと長期的な視点から議決権を行使して対抗しようとしないとか。


(個人的には、5年以上保有しない場合には、経営への口出しを認めるべきではないと思っています。口を出すなら、その長期的効果も受けるべきで、長期間保有するのが筋でしょう。会社法は、フェアでない人間が好き勝手できて、ここ何年か見てるだけでも穴が多いように感じます。また、こういった問題は資金の出し手である自分自身に返ってくる可能性もあるのです。例えば、自分の購入したファンドが自分の会社の株式を保有していて、自分が実質的な株主であるにもかかわらず、「株主(自分)の利益のために」自分の雇用が脅かされるといったことです。何も考えずに株式市場を利用していると、思わぬしっぺ返しを喰らう可能性もあるのです。)


 ジョン・ボーグル氏の苦悩も、この辺りにあると思います。


 良い動機で始めたことが、良くない結果をもたらすというのは、往々にしてあることです。


 以前、インデックスについて、中身を見ない無機質な投資法であるということを指摘しました。


 元々、お金の働き先など考えない投資法ですから、彼がいかに資本主義の理念を説いたところで効き目はないのでしょう。







 さわかみファンドのファンドレポートで、澤上さんが社員に理念を徹底していると報告されていたことがありました。


 効果の程は今後の運用となって現れてくるでしょうが、この運営態度には考えさせられます。


 ファンドは、運用サイドと購入者が一体となって総合持株会社を創るようなものですから、優秀企業と同じような組織設計を行う必要があるのだと思います。


 さて、どちらが長期間での成績が良いか、どちらが世の中の役に立っていくのか、それは何十年と経ってから分かることでしょう。


 まあ、分かった時には遅いわけですが。w


 ただ、長期投資の成果とは、自分の投資先の企業(自分の会社)がどれだけ世の中の役に立ったか、自分の投資がいかに企業の本来的価値を見てなされたかで決まるものだと思います。


 分散投資シリーズの終わりに指摘したいのは、どのような確信を持つかで「生涯の」運用成績も大きく左右されるのではないか、ということです。







<覚えておきたい偉大な投資家のお言葉>


 そこまでして金持ちになりたいかい?


 ウォーレン・バフェット


(傘下企業のCEOの1人が、借金してバークシャーの株を買い増そうとしたのを聞きとがめて。)







 お金はねぇ、お金の好きな人に預けてはいけないのです。


 お金よりも好きなものがある人に預けて、初めて生きるということだと思っています。


 金太郎氏の数多くの失敗体験からも、つくづくそう感じています。www


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