株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 さて、色々と分散投資について思うところを書いて来ましたが、第6回は「それでもやっぱり分散投資!」というお題です。


 今まで散々と分散投資の問題点について書きながら、なんだそりゃって思われるかもしれませんが、ちょっと待ってもらいたい。w


 集中投資が正しいとしても、素人が他社との比較や経験もなしに、すぐにすぐ特定の企業に長期的確信(それも、平均以上であるとの確信)を得るなどということは、まずないでしょう。


 パッシブ運用の問題点について書いてきましたが、それでも長期的確信を持てるのなら(平均や指数にしか確信が持てないなら)、その人に最適の投資法はやはりパッシブ運用なのです。


 不確実な投資の世界で、確信を持てるということほど素晴らしいことはないわけですから。


 愚鈍なカネが限界を認識すると、もはや「愚鈍ではなくなる」というバフェットおじさんの言葉は正しいのです。


(ただ、ちょっとこれは寂しい話ですよね。この企業はええ企業やと思うから、遊びでちょっとだけ応援しちゃお、ってな感じで総投資額の何%かをちょこっと思い入れのある企業に振り向けるくらいは、やってみていいんじゃないかなと思います。その企業が市場平均以上であれば、結果的に市場を撃ち破ることになりますし。因みに、確信を抱く企業は、当然人によって異なります。ですが、異なっていても大丈夫です。なぜなら、割安株への投資がそこそこ機能したというバフェットおじさんのお言葉にもあるように、最も重要なのは価値と価格の差を見つける事だからです。この差が分かりやすいのは、恐怖心理が蔓延しているときでしょう。)







 前にも書いた通り、私自身、今でも、投資っていっても何をしていいか分からないという人には、まずインデックスを勧めてしまいます。


 理由は、事業よりも「お金」が大事な人に「不安」を与えないためです。


 自分が責任を負わなくてよいからというのもあります。w


 平均や指数に常時連動しているから大丈夫ですよ。


 これ程、安心感を与え、自分の責任を回避できるものはないでしょう。


 逆に言えば、パッシブ運用の商品は、売る側にとっても非常に都合が良いのです。


 他人のカネで、ほとんど働かずにメシが食える。


 運用成績が悪いと批判されることもない。


 しかも、経済成長の恩恵までリスクフリーで受けられるのです。


 考えだした人は、頭が良いですよ。


 できることなら、私も「販売」したいです。w







 ファンド運用をしない場合でも、まずは分散投資をお勧めします。


 ちょっと待てと言われるかもしれませんが、理由があります。


 短期間でたくさん「失敗できるから」です。


 私自身、分散投資の最もいいところは、失敗できたことだと思っています。


 特に、今回のような暴落を経験しますと、自分の投資の問題点が、それこそ桜島のように大噴火してくれます。


(ファンド運用を選択した場合も、ファンドマネージャーがどのような資本の配分を行い、どのように失敗しているのかは、きちんと見て勉強しておくのが良いと思います。)


 しかしながら、本当に良いものが分かるのも、このとき以外にないのです。


 もちろん、ここで良いものというのは、単純に株価が下がってないから良いという意味ではありません。


 自分が儲かりそうだから投資したのか、そのビジネスが良いビジネスだから投資したのか、自分が本当に好きで投資したのか、そうでないのか、自分の投資先に対する理解度や信頼度が分かるのです。


 株価がダダ落ちて不安になる事業というのは、そもそも理解や信頼をしていない事業なのです。


 つまり、投資してはいけなかった事業なのです。







 以前、バフェットおじさんがテレビに出演された際、「失敗したことがあるんですか?」と聞かれて、「どれくらい時間があるのかな?」と聞き返したというお話を書いたと思います。


 お師匠のグレアムさんのところで学んだにも関わらず、数多くの失敗を経験しているのです。


 それでも、偉大な投資家は数えきれないくらい多くの失敗を経て、自分の投資手法を磨きあげてきたのです。


 実際、好景気の時には、魔術書のような投資本があふれかえるのですが、それらには成功体験は書いてあっても、失敗などはほとんど書かれていません。(失敗しにくい環境だったので、当然といえば当然なのですが。)


 ところが、他人の成功体験に自らを重ねてやってみても、必ず失敗します。


(自分がやる頃には環境が変わっているので、これまた当然です。)


 成功には不思議な成功が、それこそ星の数ほど入っているからです。


(個人的には、書店に投資本があふれかえっているときほど警戒しなければならない時はないと思っています。もしそのような光景を本屋で見たら、景気敏感株への投資は特に慎重に行うべきでしょう。)


 逆に、失敗には不思議な失敗はありません。


 必ず、必ず、理由があります。


 私の場合、その理由のほとんどは、本などを通じてバフェットおじさんから教えてもらいました。


 今もずっと、実際に何を行っているのかをニュースなどで見聞きして、教わっています。


 動いていらっしゃる表面を捉え、その内側にあるおじさんの意を読み取るということです。


 自分の事業ポートフォリオを見て、送られてくる事業報告書を見て、おじさんの教えや行動から問題点を探すということです。


 どこまで近付けるかは分かりませんが、これ程高い山を目指すのは、楽しくてやりがいのあることですよ。







 まずは自分が魅力を感じる事業へ分散を行い、各事業の問題点を洗い出し、その上で今後自分が傾注すべき事業を選択します。


 そして、徐々に徐々に、学びながら自分の集中すべき事業へ資本を集中していくのです。


 まあ、投資する前に調べりゃいいじゃんって話もあるんですけど、それでは身銭を切らないので、なかなか身につかないわけですよ。


 事業報告書だって届かないですしね。


 ということで、まずはありきたりの分散、学びながら長期的確信を抱く企業への資本の集中。


 これをやっていくといいのかなと思っています。







 ルー・シンプソン氏も、最近でこそ10銘柄程に集中しているようですが、バフェットおじさんから管理を任された当初は50銘柄程度だったそうです。


 また、新たに投資する際は、手持ちの10枚のパンチカードに穴を開けていくつもりでやってくださいとバフェットおじさんに言われたそうです。


 新たに投資の決断を下す場合は、それくらい慎重に投資対象を選別しなさいということです。


 手持ちの企業の中で一番良い企業を考え、その企業よりも良い企業かどうかを常に考えて投資の決定を行うということでもあります。


 なお、投資家としても極めて有能であった経済学者のケインズでさえ、きちんと理解している企業となると、ようやく3社を数えるほどだったそうです。


(成績は毎年でこぼこで、資産価格の変動幅は大きかったようですが、「トータルで見ると」素晴らしい成績を残していたそうです。ケインズは株式投資が美人投票のように行われることを批判していました。他人がどう考えるかなど放っておいて、自分が美人だと思う人を選べばいいのです。皆が不細工だと言ってるその時こそが、絶好のプロポーズのチャンスなわけですから。中国の名軍師・諸葛亮孔明の嫁さんは、結婚するまで変な男に言い寄られないようわざと不細工な化粧をしていたそうです。九州佐賀の戦国大名・鍋島直茂の嫁さんも、太閤秀吉に言い寄られないように、わざと不細工な化粧をしたそうですからね。大事なのは、本当の価値をきちんと見て、評価してあげることでしょう。)


 この「3」という数字は、奇しくも、香港やシンガポールの華僑達が投資を行う際の選択銘柄数と一致します。


 私も先々は本当に確信を抱き、追加投資をしていく企業をできる限り絞り込みたいなと思っています。


 日本には応援したい企業がたくさんあるので難しいですが、それでも15社くらいには絞る予定です。


 一応、売らないを前提にしていますので、新聞に載って株主として恥ずかしい思いをするようなことがない限り、どんなに業績が悪くても、破綻の危機が来ても「死が二人を分かつまで」を実践します。


 あくまで追加資金の投資先を絞るということですね。







 次回は、「時間的分散について」です。


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