株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 不景気になると将来への不安が高まります。


 不確実性が高まったように感じられ、大抵の人間は貨幣への執着心を高めます。


 なぜなら、貨幣こそが唯一価値の変わらぬ絶対的なものと信じているからです。


 貨幣さえ保有しておけば、何が起きても安心というわけです。(必ずしもそうとは言い切れないのですが。)


 こういった行動は、企業が提供する財やサービスの売れ行きを曇らせ、景気をますます悪化させます。


 このとき株式市場では、本来的な企業価値を下回る値段がつきます。


 ケインズの言う美人投票が起きているからです。


 つまり、企業を長期間に渡って保有する気のある人間から見た適正価値ではなく、人々がお互いにどう考えるかを考えて行動した結果、近視眼的な企業業績に基づいて値付けがされている状態です。


 この状態では、他人がもっと値が下がるであろうと思っているだろうから、自分も買わないということになります。


 他人が売るだろうから、自分も売って下がった値で買ってやろうというのも同じです。


 少しでも他人様を出し抜き、あるいは出し抜かれないようにしようと必死になります。


 仮に本来的な価値が500円で現在の値段が300円であっても、皆がもう100円下がると思っているだろうと考えれば、多くの人間は現在の300円で買うことは愚かなことだと考えるでしょう。


 私なんぞは、隣の人はおろか、家族の心理ですらよく分かりませんが、これが合理的な行動だということなのでしょう。


 恐らく、この手の考え方をする人は、チューリップ・バブルの魅力に耐えられない人だと思います。


 暴落の恐怖にも当然、耐えることはできません。


 大半の投資家は、こちらに属します。


 バフェットおじさんのような超一流の長期投資家から見れば、カモがネギを背負ってうろついているようなものでしょう。(だからこそ、半値になっても絶対に手放すなとアドバイスしてくれているのです。)


 これは仕方のないことだと思います。


 バブルの時はどんどん株価が上がり底堅く、暴落の時は底抜けに下がっていくのを見れば、どうみたって前者は儲かりそうで、後者は儲かりそうにないからです。(目先のことなのですが、多くの人間にとって目先ほど大事なものはありません。)


 こうして株価は、皆がこれ以上下がりようがないだろうというところまで売り込まれます。


 下がった株価は、株式を保有している人の不安心理を増幅し、財布の紐を締めさせ景気をさらに悪化させます。


 これもよく考えたらおかしな話でして、企業そのものは存在して活動を続けていますし、自社株買いと消却によって、自分の持分が実質的に増えている場合だってあるのです。


 何も変わっていないはずなのですが、多くの人は貨幣を基準にモノを見るので、株価の上下で一喜一憂し右往左往します。(某上場企業の大株主である社長夫人なんて、株価なんかどこふく風でしたよ。)


 また、多くの素人投資家は、企業の長期的特性や事業継続についての確信を持たず、なんとなく皆が買っているから買うという行動を取るので、こういう時にパニックに陥ります。


 ではプロの投資家はどうかというと、こういう時に買い向かう一部を除き、多くは美人投票に参加するタイプなので、やることは素人投資家とそう変わりありません。(株価が割安なだけでは買えないと言って、一生懸命、他はどう動くだろうかと思案を巡らせているはずです。)


 結果として、貨幣への投機が起きてしまい、貨幣バブルが生じます。(変な言い方ですが、裏から見るとこういうことになると思っています。)


 これが実体経済にも影響して、人々の貨幣選好が強まる結果が不況、最悪の結果が大恐慌ということだと思います。


 つまり、崖に向かって、みんなで一斉になだれ込んでいる状態です。


 長期投資では、こういった場合にも貨幣への投機は行いません。


 株価なんぞは、上がってよし、下がってなおよし、です。


 下がってなおよいと言うのは、将来の値上がりや配当増加に備えた再投資、追加投資を行う絶好のチャンスを提供してもらえるからです。


 そして、このときに現金をどんどん手放すことが、不景気を深刻化させる悪い勢いを削ぐ一助になると思います。


 市場の下支えと共に、パニックに陥っている人が、横で嬉しそうにお買い物をしている人を見ると、不安心理も少しは和らぐのではないかということです。


 こういった行動が増えれば増えるほど、不景気を乗りこえる力も大きくなると思います。


 長期投資は景気対策の1つであるというわけです。


 以上、ケインズ、バフェットおじさん、澤上さん、竹田さんの仰っていたことなどを参考にして書いてみました。


 もうそろそろ、動き出している個人投資家の方も出てきているようですね。


 一緒にせっせと種を撒く人が増えるのは、この上もなく愉快なことです。


 因みに、私、最近も虎の子の現金を大好きな日本企業に放り込みました。


 買いたいと思っていた日本企業のほとんどは買い終えました。


 後は、経営陣と従業員の皆さんと一緒に、適宜追加投資を行いながら荒波を乗りこえていくだけです。(長期投資とは、自分が売買して儲けることではなく、信頼のできる投資先の企業(あるいはその集合体であるファンド)に運用をお任せすることです。)







<覚えておきたい偉大な先人のお言葉>


 この世に不確実でない時代なんてあったのかい?


 本田宗一郎(ガルブレイスの著書「不確実性の時代」の感想を聞かれて)







 記憶違いで、お言葉が微妙に違っているかもしれませんが、この趣旨の御発言をされていたと記憶しています。


 宗一郎さんと稀代の経営者・藤沢さんが創った会社は、不確実な時代を乗り越えていくと信じています。(私にとっては、日本銀行券よりよっぽど信頼できます。w)


 40%の減益だそうですが、ここは例え赤字を出しても「買い」です。


 頑張れ、ホンダ!


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