株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 今回は金太郎氏の失敗の中から、「割安株投資」について考えてみたいと思います。


 失敗といっても、恐らく相対的に失敗に終わるだろうということで、この方法が全く機能しないというわけではないでしょう。


 しかし、この投資法については、一度よく考えてみるといいかなと思います。







 私が認識しているところでは、現時点での各企業の相対的な割安度には、必ず理由があります。


 これは企業間のつながりを意識するとよく分かります。


 各企業は多かれ少なかれ相互依存の関係にあるので、業績もまた影響を与えあいます。


 例えば、トヨタ自動車が70%の減益となって株価が下落した場合に、デンソーやアイシン精機は同じ株価のままでいられるでしょうか。


 トヨタで業績や雇用への不安が生じた場合に、他の消費財やサービス業の売上に全く影響がないと言えるでしょうか。


 恐らく、そんなことはないでしょう。


 つまり、各企業の割安度の差に対して自分が不合理だという確信を持たない限り、その差は相場全体の値動きに対して連動するだけで、長期間では埋まるどころかむしろ広がってしまう可能性の方が高いと思います。


 これはビジョナリー・カンパニーの長期間での投資収益が、市場平均や比較対象企業から大きくかけ離れていたことからも想像できると思います。(参考記事


 割安だったから差がついたのではなく、事業や経営の優劣によって差がついているのです。


 一般に割安株投資と言われるものは、短中期的に「皆が割安だと思って買うから値が上がって投資収益を得られる」という程の意味しか持たないのではないでしょうか。


 つまり、この投資法もまた、事業ではなく株価の方を見る投資法なのです。(少なくとも、株価を見る方向に傾きがちになってしまう。)


 割安株投資で成功したと仰っている方々も、多くは割安株ではなく事業と経営の選別において成功しているのだと思います。(将来価値からみて割安という意味での真の割安株を探し出せているか、あるいは、ただ単に投機的売買でうまく売り抜けているだけ。)


 現時点でいくら割安であっても、ひとたび将来得られるキャッシュフローや事業継続に不安が生じれば、どこまでも売り叩かれていくのです。


 最近でも不動産関連の銘柄が、PBR0・1倍台という大笑いの数字を刻んでいます。


 こんな数字が刻まれるのですから、数字だけを頼りにしていくわけにはいきません。


 うちのバフェットおじさんが、「良いビジネスを買って長期間保有しておきなさい。良いビジネスを買うのに、いつにしようかなどと考えなくてもいい。」ということを仰っているのも、この辺りにあると思います。


 もっとも、バフェットおじさんでも理解するのに20年かかったそうですから、理解しなくても投資収益はあると思います。


 それは、少なくとも明らかに割高な水準にまで買われている銘柄を避けることができるからです。(株価バブルはきちんと見抜けるでしょう。一定の判断基準を持つことは大事だと思います。)


 つまり、売買が成立するその時点その時点においては、相応な株価の企業に投資しているということだと思います。


 株式市場全体が下がっている時に買えば市場全体の戻りに応じて、短期的な要因で暴落していた場合にはその要因の消滅に応じて、これらの企業も値を戻します。


 ここにも価格と価値の差はあるわけで、その点では機能する投資法だと思います。


 バフェットおじさんも理解するのに20年かかった理由として、この手の投資法がそこそこ機能してくれたことをあげています。


 しかし、市場全体が低調な場合、買うべきは割安な普通の企業より、優秀な企業の方ではないでしょうか。


 もし仮に、自分が魅力を感じている優秀な企業を、自分が買おうとする企業より株価が割高であるという理由だけで避けているなら、この点をよく検討してみると良いかなと思います。


 もちろん、短中期的な収益を狙うのなら、このような検討はあまり意味がないでしょう。


 この場合に集中すべきは良い船に乗ることではなく、例えそれが泥舟であっても皆が乗り込みそうな船に乗ることですから。


 しかし、長期間乗り込む船を選ぶなら、安い船がよいか良い船がよいかは一考の余地ありだと思います。







 なお割安株投資に関して、バリュー株投資(割安株)とグロース株投資(成長株)という区別も、私の認識している限りでは意味のないことです。


 長期投資で必要なのは、魅力的なビジネスを相応の値段で買うことであって、グロース株であっても将来価値から見て割安だという判断ができるなら、それはバリュー株と言えます。


 逆に、バリュー株でも将来価値との大きな差を見つけられるのであれば、それはグロース株たりうるはずです。


 一般にグロース株の投資成績がバリュー株に及ばないのは、グロース株が将来価値の多くを現時点で織り込んでいることが多いからでしょう。


 この場合にグロース株の企業に求められるのは、期待されている以上の業績をあげ続けることであり、それは大抵の場合、非常に難しいことです。


 バフェットおじさんの仰っている通り、無限に成長を続けることは不可能だからです。







<覚えておきたい偉大な先人のお言葉>

 What gets us into trouble is not what we don't know.

 It's what we know for sure that just ain't so.

 Mark Twain


 問題は無知ではない

 知っているという思い込みだ

 マーク・トウェイン




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