日本株を見る時に、バフェットさんなら何を買うだろうかと考えます。
答えの1つは、「何も買わない」。w
まあ、この前も韓国に立ち寄られた時に日本は無視でしたから、非常に現実的な答えですね。
でも、これでは話が進まないので、自分なりに考えてみます。
まず思いつく条件は、高い資本効率(ROE)、大きめの時価総額、分かりやすいビジネス、強力なブランド価値といったところでしょう。
高い資本効率という条件からは、ROE15%程度。
時価総額は1000億円以上を基準にしてみます。
残りの2つの条件で、今までの投資対象から参考になりそうなものをあげると、ギャップ(衣料品)、ナイキ(靴、スポーツ用品)、コカ・コーラ(飲料)、ウォルト・ディズニー(メディア)、ワシントン・ポスト(メディア)、ジレット(カミソリのメーカー)、ウェルズ・ファーゴ(銀行)、アンハイザー・ブッシュ(ビールのバドワイザーを販売)といったあたりが思い浮かびます。
次に、最も重視していると考えられるのが、取締役の能力だと思います。
これは高いROEという条件で、過去の成績からある程度推し量れるのでしょう。
それに加えて人柄なんかが良いということが分かれば、プラス材料でしょうね。
「邪悪な人間とビジネスをして、うまくいったことなどない。」ということを仰っていたと思います。
「信義」や「誠実」、「公平」とかいった資質は、とても重要なのでしょう。
最後に株価が安いこと。(相応の値段であること。)
良いビジネスに優秀なCEOの組み合わせでも、株価が将来の利益の多くを反映してしまっているのでは話になりません。
バフェットさんは、ディスカウントキャッシュフロー法により大まかな値段を算定しておいて、安全余裕度を考慮に入れた値段で買うみたいですね。
ディスカウントキャッシュフロー法とは、企業がその活動を停止するまでに稼ぐキャッシュフローの割引現在価値を適正株価と見る企業価値算定法です。
因みに、ジョン・ボーグル氏も、この方法が最も正しい企業価値算定法だと書いていました。
当然、そういう計算をする脳みそはありませんので、今後の増益率を考えつつPERで大まかに相応の値付けだと思えば、買い下がりを前提に買うことにしてみます。
要するに、「現金を稼いでこれない企業はダメよ」ということで、現金の源泉はといえば会社の稼ぎ出す利益ですから、もう大雑把にいっちゃいます。
PERは20倍以下(益回りで5%以上)、できれば15倍以下(益回りで6・7%)だといい感じでしょうか。
なお、何度も書いてきましたが、これはあくまで「現在の」収益力に対して過大な評価がなされているかどうかを見るだけですので、これ以上だから買えないということではないです。
力強い増益を達成していける確信があるのであれば、これ以上の数字でも買ってよいと思います。
この他、営業活動によるキャッシュフローがプラスで推移しており、有利子負債が少ないとなお良いと思います。
今のように、市場全体にまだ警戒感が解けていない状態なら、美味しい値付けになっているでしょう。
将来のキャッシュフロー自体も、低く見積もられている可能性が高いでしょうし。
なお、ROEが高いということは、株主資本を有効活用して高い利益を出しているということなので、株価純資産倍率(PBR)でみると高いものが多いでしょう。
ブランド価値を持った企業であれば、なおさらのこと、一定の利益を確保することは容易でしょうから、純資産価値を超える値段で取引されていると思います。
その純資産を上回る部分こそが、インフレ期に効力を発揮するという「のれん(good will)」の価値ということになると思います。
まだまだ検討すべきことはあるでしょうが、とりあえずこんなところで考えてみます。
以上をヒントにして、何か銘柄が思い浮かんだでしょうか?
僕が思い浮かべたのは、ファースト・リテイリング、良品計画、アシックス、伊藤園といったあたり。
アシックスは靴からスポーツ用品に事業展開して、ナイキと似ています。
伊藤園の「お〜い、お茶」も個人的には大好きですし、緑茶飲料ではトップブランドと言っていいと思います。
減益でROEは10%程度に落ちてしまいましたけど、その分、株価は安くなっています。
ファースト・リテイリングと良品計画も、これからブランド価値の世界的な浸透が期待される企業です。
ギャップのような企業に育って欲しいところです。
ファースト・リテイリングの方は、若干、株価が高いかもしれません。
同社の世界戦略や、売上高1兆円、連結ROE20%といった目標を市場が織り込んでいっているのでしょう。
個人的には、どの企業も買ってみる価値はあると思っていますし、実際にこの中から買っています。
さて、最後にバフェットさんの投資で一番参考にしたいこと。
それは、「チェリーコーク」の大好きなバフェットさんが、「コカ・コーラ」への投資で大成功したこと。
そして恐らくは、もっと早くに投資すべきだったのにそれをしておらず、自分自身でそれが大失敗だったと思っているであろうこと、です。
どの銘柄で儲けてやろうかと考える前に、自分はどの事業で稼ぎたいのか、どの事業に魅力を感じているのか、これをハッキリさせておいた方がいいかもしれません。
<追記>
ビジネスが簡単明瞭であること、という条件からは、そのビジネスがその企業独自のユニークなものであること(簡単に真似できない)、企業活動を維持する上で巨額の設備投資や研究開発費を必要としないこと、を意識しておくと良いでしょう。
バフェットさんはハイテク企業を買いませんが、理解していないからではなく、理解した上で買う必要がないという判断をしているはずです。
ハイテク企業は技術や研究開発しだいの面があり、自分の選ぶ企業と比較し、他社に容易に真似できないとは言えないからでしょう。
また、生産のために必要な多額の減価償却費や研究開発費は、インフレなどによる景気後退局面において業績の足を引っ張ります。(でも、やらないと長期的に競争力を削がれてしまう。)
僕が試みに挙げた企業の減価償却費や研究開発費の売上高に占める割合と、日本の誇るトヨタやキヤノンのそれとを比較してみると、減価償却費や研究開発費の負担の違いが分かると思います。
<参考>
バフェットおじさんの主力投資先と出資比率(2007年末)
ワシントン・ポスト(メディア) 18・2%
バーリントン・ノーザン・サンタフェ(鉄道) 17・5%
アメリカン・エキスプレス(カード) 13・1%
ウェルズ・ファーゴ(銀行) 9・2%
コカ・コーラ(飲料) 8・6%
クラフト・フーズ(食品) 8・1%
プロクター・アンド・ギャンブル(日用品) 3・3%
ジョンソン・エンド・ジョンソン(日用品) 2・2%
