株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 戦後すぐのこと、インフレが敗戦直後の御先達の方々を直撃しました。


 持っていた現金はたちまち紙切れです。


 知り合いの御老人でもう亡くなった方なんですが、この時の経験が大きく影響し、金は使う為にあるんだと言って、預貯金をほとんどしていませんでした。


 また、この頃、大きな借金をしていた人が貸主のところにやってきて、大きな顔をして札束を置いていったというエピソードをある本で読んだ事があります。


 そう、インフレは債務者にとっては借りているお金の価値が目減りするので、一種の債務免除の効果を生みます。


 逆に債権者にとっては、債権の利回りを超えるインフレが生じると、お金が返ってきても実質的には失っている状態が生じてしまうのです。


 では、以上の話を超低金利の預貯金や日本国債に当てはめてみるとどうなるでしょうか。


 あ、ちょっと背筋が寒くなった。


 デフレだったら全然問題ないんですけどね。


 国が低利で国債を大量に発行している場合、インフレは法律を定めなくても取れる税金といってもいいでしょう。


 相続や宝くじなんかでかかる税金より、よっぽどタチが悪いですね。


 ということで、インフレ抵抗力の強い資産である株式や不動産が、当面使う予定のない資金の行き先として浮かび上がってくるというわけです。


 それで株式や不動産なら何でもいいかと言うと、資本コストというものを考えないといけないみたいです。


 つまり、工場を考えると分かりやすいのですが、生産のためには生産設備や原材料の調達を維持しなければならず、これにはインフレで価格が高くなったものを調達しなければなりません。


 バフェットさんは、このことを良く考えて投資をすべきだと仰ってます。


 不動産をたくさん抱えているからいいやで投資していると、資本コスト以上の利益をあげることができない企業では、インフレ対策にならないよということでしょう。


 そして、資本コストを考慮した企業価値を図る尺度としては、有形固定資産あたりいくらの利益をあげているかを見るべきだと仰ってます。


 インフレ期においては、長期的価値を有する無形固定資産(のれん)が、最終的な利益に貢献するということです。


 例としては、メディア事業を取り上げてましたが、有形固定資産が少なくても高い利益をあげられるビジネスを考えてみると良いのでしょう。


 逆に、設備投資や原材料調達にお金がかかるのに、それに見合った価格転嫁の進まないビジネスだと、インフレによる物価上昇の貧乏くじを引き当ててしまうと思います。(徐々に価格転嫁が進んで解消されるでしょうが、当面の貧乏くじです。)







 もっとも、既にインフレリスクが意識されているとすれば、それを織り込んだ株価になりつつあるでしょう。


 とすれば、逆にこういった企業の中から、今後をにらんで投資を行うチャンスが来つつあるともいえるでしょう。


 インフレが来てからインフレ対策を考えるのではなく、その前に意識しておきましょうということですね。


 何事も起こってからでは遅いのです………いつも身に染みてますよ、とほほのほ。


 なお、サブプライム問題でガタガタの今の状況は、企業の特性を見極める上で絶好の機会だと思います。


 資金の逃げ足の速い企業と、資金が逃げていかない企業、比べてみると展開するビジネスの様々な特徴が分かるかもしれませんね。







<覚えておきたい偉大な投資家のお言葉>

 インフレ期におけるのれんは、金の卵を生み続けてくれるニワトリなのです。

                         ウォーレン・バフェット


*企業買収の場合、のれんとは純資産価額を超えるプレミアム分をいいます。これを株式市場で見てみると、PBRの高い企業ほどプレミアム、即ち、のれんの価値が高く評価されて取引されているいうことが言えると思います。もちろん、収益力に対して過大な評価がなされている場合もありますから、この点は注意が必要でしょう。PBRが高いけれども、収益性に対しては評価の低い企業、つまりPERが相対的に低い企業を探してみると、良い答えが得られるかもしれませんね。


*また、資本コストというのは通常、無リスク資産の金利と株式リスク・プレミアムの合計をいうようです。無リスク資産といえば国債ですから、長期国債の利回りに株式リスク・プレミアム(長期のインフレ率などを考慮するみたいですが、ここでは仮に3%としましょう)を加えた数字、今の日本では5%弱が資本コストということになります。
 因みに、ドラッカー氏やバフェット氏の仰ることに従えば、「資本コスト以下の利益しかあげられない企業は無責任だ」ということになります。これを元に僕からアドバイスを送るとすれば、『「ROE5%を目標にします。」などと言っている企業には投資するな!』です。資本コストを考えれば、ROE5%は目標ではなく最低線だからです。


 
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コメント
この記事へのコメント
資源インフレで、ブラジルがいいと、証券会社がブラジルファンドを勧めるのですよ。
で、チャート見たら戦線が延びきってるように思うし、インフレ率?
金利?か、詳しいことはわからないのですが、11%だそうで、とても
投資したい気分になれません。
まあ日本とか、欧州よりは成長しそうだけど。
2008/05/04(日) 10:06 | URL | あくび #-[ 編集]
証券会社の勧めるものに飛びつくと、目先で楽しい思いはさせてもらえるでしょうね。
まあ、皆が考えることを教えてくれているわけでして、潮が引いているところへ行って潮が充ちてくるのを待つか、潮が充ちているところへ行って楽しく泳ぐかは、投資スタイルによると思います。
勧める前に、高い手数料をなんとかしろと思うんですけどね。w

長期投資というスタイルから考えると、ブラジル通貨レアルを稼げる企業で、売られているものを考えてみるのも良いかなと思います。
資源国が稼いでウハウハ言っている、その稼いだお金を、今後ありがたく頂戴できると思います。

ブラジルの資源と言えば鉄鉱石。
鉄鉱石の採掘に必要なものは?

ブラジルの人々が豊かな生活を送る上で必要になってくるものは?
それを供給する企業は?

あるいは、ブラジルで活動している企業は?

資源高と読むなら、権益を持っている日本企業はないか?

何も国という単位でくくる必要はなくて、個別の企業で見ると、面白い銘柄はいくらでも見つかると思います。
何せ、グローバル化が進んでますからね~。

インフレ率が高いと、金融を引き締めるので金利も高くなりますね。
あまり急激に物価が上昇すると、貧しい人や年金生活者を直撃して社会不安が高まりますし。
新興国はどこもかしこも金利が高いです。
でも、これは経済がうまく回っている証拠。
新興国の生活が先進国レベルに追いつくまで続きそうです。
トレンドに乗ってファンドを買っても、長期的には高い収益を上げられるかもしれませんね。
問題は手数料の負担をどう考えるかでしょう。

あ、後1つ、こうインフレが進むと、リサイクルとか省エネに目が向きますので、その点は注意しといた方がいいかも。
2008/05/04(日) 12:01 | URL | あくびさんへ #-[ 編集]
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