株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

<問題1>


 ここに100万円があります。この100万円を2人で分けるように指示されました。どのくらいの率で分けるかは、あなたに決定権があります。あなたの決定を相手が受ければ、その額でお金が分配されます。但し、あなたの提案を相手が蹴れば、2人ともお金をもらいそこねます。あなたが、できる限り得をするように分配率を決定しようとすれば、あなたは、いくらのお金を相手に提示すべきでしょうか。







<問題2>


 100人が1~100のうち好きな数を選択し、選択された数の平均から3分の2に最も近い数字を選択した人に、100万円の賞金が与えられます。あなたがこのゲームに参加する場合、あなたは1~100のうち、どの数字を選ぶべきでしょうか。







<問題3>


 あなたは強盗罪の共犯として疑われ、別件の窃盗罪で逮捕・勾留されています。あなたには共犯者がおり、それぞれ別の取調室で取調べが行われることになりました。あなたが強盗について自白すれば、あなたの刑は軽くなりますが、共犯者の刑は重くなります。逆に、あなたの共犯者が自白すれば、共犯者の刑が軽くなりますが、あなたの刑は重くなります。共に黙秘すれば、両者共に刑は軽くすみます。共に自白した場合、両者共に重い刑が科せられます。互いに連絡をとれない状況で、あなたは自白と黙秘、どちらの行動をとるべきでしょうか。







<問題4>


 以下の2つの状況において、従業員であるあなたはどちらがより好ましいと感じるでしょうか。

A 従業員に報いるため、5%の賃上げをあなたの会社が決定した場合。インフレはない。

B 従業員に報いるため、10%の賃上げをあなたの会社が決定した場合。但し、インフレ率は6%。







 本文中の問題と変えてますので、僕の無理解が露呈しているかもしれませんが、どういう答えを出しましたか?


 出した答えは、多くの場合、標準的経済学が議論の前提としている合理的経済人の出す答えと異なっていると思います。


 それは、友野典男・明治大学教授の『行動経済学』という本を読めば理解できるでしょう。


 経済学の話を読んでいると、時折、効率効率といって数字や数式をいじくり倒しながら、実際に経済を動かす人間についての考察がまるっきり欠けているような印象を受けます。


 行動経済学は、こういうアプローチではなく、経済の背後にある人間の選好にスポットライトをあてるものです。


 様々な検証の結果を見ると、どうやら合理的経済人というのは実際の世界では存在しないか、存在したとしても実際の経済はそのような人の行動によって動いているわけではなさそうです。


 つまり、今までの経済学の前提がそもそも間違いかもしれないという、なんともいえない悲しいお話ですね。


 この他にも、1000円の利得と1000円の損失では、その絶対値は後者の方がおよそ2倍から2・5倍も大きいとか、貨幣錯覚のお話(問題4に関係します)とか、理由があれば選ばれるとか、真ん中が選ばれるとかいった、ドキッとするような指摘がたくさんあります。


 それから、満足化人間と最大化人間についても書かれてました。


 最大化人間というのは、常に最良の結果を求める人種ですが、そのような結果は得られるはずもなく、従っていつも満足できずに不幸な気持ちで過ごすそうです。


 逆に、満足化人間は、最良の結果を求めるわけではないので、最大化人間より社会的地位が低かったり、収入が少なかったりしても幸せだと感じるそうですよ。


 投資でもありがちですよね、こうした方が儲かったとか、あっちのやり方の方が良かったという気持ち。


 とても面白いので、是非、読んでみてもらいたい本です。


 なお、行動経済学については、もう1冊、『セイラー教授の行動経済学入門』も出ていますが、友野教授の『行動経済学』の方がとっつきやすいと思います。


 まず友野教授の方を読んでみて、それから興味があればセイラー教授の方も読んでみるとよいでしょう。







<覚えておきたい偉大な経済学者のお言葉>


「経済学を学ぶ目的は、経済の問題に対して一連の出来合いの答えを得るためではなく、どうしたら経済学者に騙されないかを学ぶことである。」

  ジョーン・ロビンソン 『マルクス、マーシャル、ケインズ』より


「純粋な経済人は、事実、社会的には愚者に近い。しかし、これまでの経済理論は、そのような単一の万能の選好順序の後光を背負った合理的愚か者に占領され続けてきたのである。」

  アマルティア・K・セン 『合理的愚か者』より







 セン教授、株式市場には「合理的愚か者」がたくさんおると思うよ………なんとなく。


 上の問題の答えは、コメント欄に書いておきます。


 でも、頭の弱い配当金太郎氏の理解ですので、間違いがあるかもしれまへん。


 実際、本を読んで自分の頭で理解するのが良いと思います。


人気blogランキングへ

株は配当金を狙ってTOPに戻る


コメント
この記事へのコメント
問題1
 合理的経済人が相手なら、迷わず1円を提示します。もらえないよりはもらえた方が良いと、合理的経済人なら考えるからです。ところが、実際にゲームを行うと、このような提案は拒否されます。人には公平や平等という感覚が備わっているからでしょう。

問題2
 これまた合理的経済人の考え方では、答えは「1」です。皆が選ぶ数の平均は50、その3分の2に近いのは33。しかし、皆がそう考えるだろうから、その3分の2は………。こうして考えていくと、その数字は極限まで最小化し、1となるそうです。
 もっとも、実際のゲームでは「1」にはならず、「1」を選んだ人も理由を明確に言える場合はほとんどないそうです。
 合理的経済人が他人の考えを予想して値付けをすると、株式に適正な値がつくことなんてなくなっちゃいそうですね。

問題3
 囚人のジレンマと呼ばれるものだそうです。互いに罪が軽くなるような合理的行動が、最悪の結果を招く場合があるということらしいですよ。
 同じ状況では、自己犠牲の精神を持たねばなりませんね。つまり、相手に裏切られても、相手が助かるならよしとする。う~ん、難しい。

問題4
 合理的経済人ならAを選択しますが、実際のアンケートではBを選択する人が多いようです。実際にもらえる現金が増えた方が良いという判断なのですが、実質的にはインフレによって現金の価値が目減りしているので損しています。これを称して「貨幣錯覚」と呼ぶそうです。

 皆さんの答えはどうでしたか?経済学って面白いですね。
2008/03/01(土) 11:21 | URL | 答え #-[ 編集]
経済合理的に生きようとすると、嫌われ者になりそうですねi-229

多くの人は経済合理的であることよりも、良い意味での世渡り上手であることを望むのかもしれませんね。
2008/03/01(土) 21:15 | URL | CHARO #-[ 編集]
そうなんですよ、
それで嫌われ者になると(名声が低いと)、経済活動にも悪影響が及ぶそうです。
つまり、あいつは欲深い汚い人間だから信用できない。
従って、取引もできないってな具合ですね。
これも行動経済学の示すところみたいですよ。

恐らく、多くの人は自分の気持ちに正直に、幸せに生きたいと思っているはず。
それこそが、真の意味での経済的合理性であり、経済的利益なのかなと考えてしまいました。
2008/03/01(土) 23:50 | URL | CHAROさんへ #-[ 編集]
このコメントは管理者の承認待ちです
2008/03/02(日) 23:15 | | #[ 編集]
問題1が特に面白いかな~と思いました。
半分を提示しないと自分は人間として小さいと思われるのではないかという心理。
そして自分のほうが多く貰おうとしたときに相手が承諾するかどうかのかけひき。
自分だったら50万円って言っちゃうだろうなぁ。
相手が合理的経済人なら1円でもいいのでしょうけど・・・
でももし1円側だとしたら絶対納得できない(笑
2008/03/02(日) 23:22 | URL | 京 #-[ 編集]
1円だったら突っ返しますよね。(笑)
自分の利益を最大化しようとすれば、55万円から60万円あたりが落としどころでしょうか。
しかし、公平感の強い人が相手であれば、限りなく50万円に近付いていきそうですよね。
2008/03/03(月) 17:55 | URL | 京さんへ #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する