株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 どんな設計の企業が良いのかということは難しいですが、自分にとって応援したいと思う、或いは、こういう会社でなら働いてみたいと思う会社ならイメージできるのではないでしょうか。


 そして、そういった会社をイメージする際に最も注意しておくべきは、会社の企業理念や経営方針ではないでしょうか。


 会社の企業理念や経営方針は、その会社の根幹をなすものであり、企業活動の全てがそこに集約しているといっても過言ではありません。


 企業は人なりと言いますが、企業に集まってくる人の質も、企業理念や経営方針とは無縁でいられないと思います。


 つまり、これらは企業設計の上で最も重要な部分ではないかと思うのです。


 これはビジョナリー・カンパニーでも指摘されていることであり、それ故に同書では企業経営者に対し、早い段階で会社組織全体で永続的に共有できる価値観をいくつかに絞って決めてしまうことを勧めています。


 一定の明確な目的を強固に共有できる組織体は強いのです。


 ここでは、僕の持ち株の中から2つの会社の企業理念を紹介したいと思います。







 まずは、個人的に気に入っている企業理念を持つオムロン(詳しくは、オムロンのホームページを参照)。


 この会社の社憲は、「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」です。


 この簡単明瞭な社憲は、オムロンの創業者・立石一真氏の理念である「企業は社会の公器である」を一般社員向けに分かりやすくしたものです。


 そして、この基本理念の下に経営理念、経営理念の下に経営指針、行動指針が定められています。


 経営理念では、チャレンジ精神の発揮、ソーシャルニーズの創造、人間性の尊重を掲げています。


 経営指針では、個人の尊重、顧客満足の最大化、株主との信頼関係の構築、企業市民の自覚と実践の4つを制定。


 行動指針では、品質第一、絶えざるチャレンジ、公正な行動、自律と共生を掲げています。







 もう1つ、比較する持ち株として新興企業の楽天をあげてみたいと思います。


 ホームページを見ると、こちらも企業理念らしきものを掲げています。


 世界一のインターネット・サービス企業へ

 成功の5つのコンセプト

1 常に改善、常に前進

2 Professionalismの徹底

3 仮説→実行→検証→仕組化

4 顧客満足度の最大化

5 スピード!スピード!スピード!







 さて、わざわざ保有しているわけですから、一応どちらの企業も将来性を高く評価してはいます。


 しかし、下の企業さんは、かなり危うさを感じさせませんか?


 ちょっとここで、この企業理念らしきものに、以下のような修飾語をつけてみて下さい。


 「会社の利益のために」


 ぴたーっと見事にはまりませんか?


 設立後10年でここまで来たのは立派なのですが、この会社からは社会とどう関わっていくのか、利益を出す以外に何のために企業活動をしているのか、自分たちは何のために存在しているのか、そういった価値観がとんと見えてこないのです。


 このことが安易な企業買収へと傾き、結果として非常に高い買い物をして、せっかく参加してくれた株主さんに損をさせている可能性が大いにあると思います。


 因みに、企業買収で安易に成長を買うことはバフェットさんが嫌う企業経営のパターンですので、銘柄選択の際は気を付けましょう。


 仮に買う場合でも、きちんと失敗して株価が下がってから買うようにしましょう。


 そういえば楽天トラベルでも、その昔、一方的な手数料引き上げで、せっかく参加してくれた旅館やホテルにかなり嫌な思いをさせることになりました。


 この他にも、多くの愚行が批判の的になっていましたね(苦笑)。


 因みに、それでも僕が買ったのは、高くつく買収に一段落ついたこと(そう思いたい)、本業である楽天市場はネットという仮想空間であるにもかかわらず実社会ときちんと結びついていて、今後も一定の利益を稼ぎ出しそうであること、自分も利用していて利便性が高いと感じていること(ビジネスモデルは非常に良いと思ってます)、そろそろ失敗に懲りて経営の見直しをしてくれないかなという淡い期待、プロ野球の球団を保有していること(←はい、またまた出ました、主な理由)、株価が下落しまくって将来価値から考えてもかなりの割安と感じたこと、持ってるだけで勉強になりそうなこと(いろんな意味で)、などが理由です。


 TBSさんと四の字固めをかけあって身動きとれなくなってる間に、オムロン並みの企業理念や経営方針を固めてくれるといいんですけどねぇ。


 まあ、そんな経営方針を掲げたら、TBSさんの敵対的買収なんてことはしないのでしょうが……。







 最後に「ビジョナリー・カンパニー」で指摘されていたことを付け加えておきます。


 ビジョナリー・カンパニーにとって、ビジョンを持ったカリスマ的指導者はまったく必要ない。こうした指導者はかえって、会社の長期の展望にマイナスになることもある。


 ビジョナリー・カンパニーの目標はさまざまで、利益を得ることはそのなかのひとつにすぎず、最大の目標であるとはかぎらない。確かに、利益を追求してはいるが、単なるカネ儲けを超えた基本的価値観や目的といった基本理念も、同じように大切にされている。しかし、不思議なもので、利益を最優先させる傾向が強い比較対象企業よりも、ビジョナリー・カンパニーの方が利益をあげている。







<参考にしたいトヨタの社訓、豊田綱領>

一、 上下一致、至誠業務に服し産業報国の実を挙ぐべし

一、 研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし

一、 華美を戒め質実剛健たるべし

一、 温情友愛の精神を発揮し家庭的美風を作興すべし

一、 神仏を尊崇し報恩感謝の生活を為すべし


※豊田綱領を見てもらえば分かるように、共有できる価値観は5つくらいが適当でしょう。あまり多すぎると、何が大切なのか分からなくなってきます。オムロンでは、一番大切な社憲を一番上位の価値観として持ってきて、経営陣向け、従業員向けにより具体化した価値観を示していると思われます。1つの工夫でしょうね。


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2007/10/25(木) 10:12 | | #[ 編集]
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