株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 バンダイビジュアルが、TOBにより親会社のバンダイナムコHDの完全子会社となるようです。


 現在、TOB価格の28万7千円に向かって株価がサヤ寄せしています。


 2年程前に60万円を付けたバンダイビジュアルの株価ですが、3分の1近くに値下がりした挙げ句、その頃の半額以下で引き取ってもらうことになりそうです。


 同じく、バンダイネットワークスの方もTOBで完全子会社化を目指すそうです。


 こちらも3年半前には25万円の株価でしたが、TOB価格は6万300円。


 バンダイビジュアルもバンダイネットワークスも、親会社のバンダイナムコHDが70%近くの株式を保有しています。(バンダイビジュアルは62%)







 余談ですが、株主総会では会社の重要事項につき特別決議が必要な場合があり、これは議決権の3分の2以上の多数で決定することになります。(厳密には、議決権の過半数を有する株主が出席して、その3分の2以上の賛成で議決。つまり、総議決権の3分の1ちょっとの賛成で議決されることもありうる)


 株式の併合、取締役等の役員の解任、定款変更、事業譲渡などがそうです。


 この他、吸収合併などの時もそうですね。(この場合、議決に必要な定足数(出席しなければならない数)は株主の頭数の半数)


 つまり、議決権の67%を抑えていれば、会社経営のほぼ全てを握っているといえるでしょう。


 逆にいえば、議決権の34%を握っていれば、会社経営を牛耳られることはないということですね。


 この数字で保有比率上位の株主さんを見ていけば、誰が会社を実質的に支配しているか分かります。


 上記の2社は、バンダイナムコHDが事実上支配していますよってことですね。







 さて、それは良いとして、こういった場合、大株主である親会社とそれ以外の少数株主との利益が必ずしも一致しないことがあります。


 これが子会社上場の問題点で、親会社の利益のために子会社が利用されたりすると、子会社の少数株主はたまったものではありません。


 この点、2007年11月9日付、日経新聞1面の「株主とは」で、『1980年以降上場した子会社を対象に、上場来の株価騰落率を東証全体の値動きを示すTOPIXと比べたところ、約7割がTOPIXを下回ることが明らかになった』という指摘がされていました。


 要するに、子会社が上場しても、市場平均を上回る素晴らしい成績を収めることは難しいってことです。


 その理由として、先程書いた親会社と子会社少数株主の利益相反も指摘されていました。


 バンダイビジュアルがそうだとは思いませんが、一般的に親子上場の子会社は厳しいと思って良いでしょう。







 で、何でつらつらと親子会社について書いているかというと、バンダイビジュアルを持っているからですね(笑)。


 最近買ったので株価は上昇して利益は出ている状態ですが、僕は長期保有目的で買っており、しょぼいTOB価格なんぞは全くもって眼中になかったので、これは間違いなく大失敗です。


 親会社のバンダイナムコHDとバンダイビジュアルとどちらを買うかは、常に頭にあったのですが、資本効率やコンテンツ産業の将来性、配当利回り、株主優待を比較した結果、バンダイビジュアルの方が応援しがいがあるという判断をしたわけです。


 多少、親子会社の問題点も頭をよぎりましたが、まさかこういう形で現実化するとはなぁって感じです。


 その昔、イトーヨーカドーとセブンイレブンが合併して7&iHDになった時も、冴えない親会社のイトーヨーカドーが業績好調な子会社のセブンイレブンと合併するってことで、交付される新会社の株式割当比率が問題になっていたと記憶しています。


 セブンイレブンの少数株主さんからすれば、業績の良くない部門と統合してもらっても………って感じだったでしょう。


 以上の事例から考えると、親子上場の場合の子会社株式を購入する場合、「いつ親会社に都合のいい形で利用されるか分からない」というリスクを、常に抱えることになるということができるのではないでしょうか。


 もちろん、少数株主の保護も図られていますし、必ずしも少数株主にとって一方的に不利益なことばかりではありません。


 しかし、将来的な価値について一番良く判断できるのは、他ならぬ親会社の方ですから、自分たちの損になるようなことはしないでしょう。


 今回の例でいくと、以前の高い株価でTOBを仕掛けることは絶対になかったと断言できます。


 これに対して少数株主の方は、それぞれに様々な思惑を抱えて資本参加しているわけですから、必ずしも得にならない場合も多いかと思われます。







 もう1つ、親子上場を考える場合に留意しておくと良いかなと思うのが、分散か集中かという視点です。


 今回、バンダイビジュアルで「集中」の方を選択したわけですが、親会社株式の方を選択した方が多種多様な業態を抱えていることもあって、「分散」効果が高いと思われます。


 この「分散」という視点は、インデックスファンドでも学んだことでしたよね。


 全ての事例に当てはまるわけではありませんが、親子上場の子会社株式購入の際は、以上の視点を持っておくといいのではないかなと思います。


 利用できそうな方を買うか、利用されそうな方を買うか、今の僕なら少なくとも利用されそうにない親会社の方でしょう。


 なぜなら、今回TOBで価格が上がったから良かったようなものの、TOB価格より高値でつかんでいたら(実際、以前に保有していたことがあり、たまたま今回、長期保有目的にシフトして再購入していただけです)、予定していない価格での売却か、予定していない親会社株式への交換を余儀なくされていたわけですからね。


 以上、親子上場の子会社を購入する場合には、親会社を購入する場合とよく比較してみると良いと思います。


 「集中」は投資効率を上げるのに有効ですが、効率を追えば却って効率が悪くなることもあるでしょうしね。







<付記>

 IRに問い合わせたところ、実に素早い対応で丁寧な回答を頂けました。


 親会社のバンダイナムコHDも大好きな企業さんなので、近い将来、こちらを保有することになるでしょう。


 でもね、株式市場をこういう形で使い倒していると、いつか思わぬしっぺ返しを喰らっちゃうと思いますよ。


 少数株主さんの中には、納得いかない人だっているはずですもんね。


 因みに、今回TOBに応じない場合、上場廃止が待っています。


 上場廃止の後、全株取得により完全子会社化する予定らしいので、親会社のバンダイナムコHDと株式交換がされ、親会社株式が交付されて一件落着です。


 上場廃止後は一時的に売却が出来ない状態になるので、短中期のプレーヤーさんは注意が必要でしょう。


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コメント
この記事へのコメント
親子上場には注意が必要ということが解りました。
安い株価でTOBなんてやられたらたまりませんね。
暴落したときにMBOやるのとなんか似ている気もします。
もしこれTOBに応募しなかったらどうなっちゃうんでしょう。
そして上場廃止になってしまったら・・・。
2007/11/14(水) 23:06 | URL | 京 #-[ 編集]
このコメントは管理者の承認待ちです
2007/11/15(木) 16:16 | | #[ 編集]
今回の場合で言うとね、この後に待っているのは上場廃止です(笑)。
でもね京さん、僕は長期投資目的だったんで、5年くらい上場廃止でも全然問題ないわけですよ。
むしろ問題なのは、上場廃止後に株式交換で親会社株式が割り当てられることの方です。
仮に僕の見立てが正しくて、バンダイビジュアルが業績を引っ張るような形になったとしますよね。
そうすると、親会社の株式を割り当てられても、投資効率が悪いってことになりますよね。
それと、ここは優待が美味しくてね、半期ごとにDVDをもらえちゃったりするんですよね。
DVDは高いですからねぇ。
これを視聴した後で、うちの連結子会社(?)テイツーの古本市場に持っていって売ったりすると、実質的な配当利回りはえらいことになりますよね。
しかも、そのDVDを売ってテイツーが稼ぐわけで……。
買った瞬間に、以上の目論見がもろくも崩れ去りましたよ(笑)。
まあ、でも買いのタイミングから見ると、親会社がTOBをかけたくなる程に割安だったってことでしょうから、あながち僕の見立ても外れてなかったんでしょう。
今回の大失敗の中で、唯一自慢できることはこれくらいかな(笑)。
2007/11/15(木) 22:51 | URL | 京さんへ #-[ 編集]
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