株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 ウォール街のランダム・ウォーカーの追記です。


 読んで考えたことを書いておきたいと思います。







 まず学者さんの著書で気をつけておきたいのが、数字やグラフで説得的に見えても、それら自体が自分の信じる理論に合わせて拾ってきた、都合のよいものである可能性があることです。


 常に、そうではないかもしれないと、批判的な目で読むことは大事かなと思います。


 アーメンなんて書いておいて、こんなことを書くのもなんですけど、より深く帰依するためには批判的な目で見て、よりよく理解しておかないといけませんからね。


 例えば、訳者の井出先生も、日本でもマルキール教授のインデックス運用法が「通用する時代が来た」といった趣旨のあとがきを残されています。


 つまり、バブル後の失われた10年、株価が底を打った2003年までについて言えば、御託宣に従って投資しても投資しても、ずるずると下がっていく悲惨な結果が生じていたわけです。


 この間、将来を信じてインデックスファンドを機械的に買い増していくことができたでしょうか?


 仮にできたとしても、それは真に正しい投資法でしょうか?


 30年、40年、50年といった長い目で見れば、恐らく正しいのでしょう。


 しかし、自分が生きているかどうか分からないような長い期間を措定して、必ず儲かるからと投資するような人を見つけるのは難しいと思います。


 ジョージ・ワシントンが少額を投資していたら、子孫の何人もが億万長者なんていう話は、仮定の世界では正しいのでしょうが、実際にやってみようなんて思うのは金太郎さんくらいのものでしょう。


 それとて、金太郎さんの遺志を引き継いでくれる子孫が育っての話ですよね。


 途中の代でキャバクラ嬢に貢いだりすると、全てパア(笑)。


 まあ、それでも子孫が楽しんでくれるなら、それはそれでいいことなんでしょうけど。







 また、本書ではテクニカル分析等への批判において、過去のデータから将来は予測できないとしています。


 にもかかわらず、過去のデータを用いてどうやらこれが一番儲かりそうだと理論を展開しているわけです。


 ちょっとした矛盾ですよね。


 それもあってか新版では、最後の方でアメリカ市場の今後について、かなり控えめな見通しを書いていらっしゃいました。


 インデックス運用は長い目で見ると儲かるが、どの程度儲かるかについてはやっぱり分からないということのようです(もっとも、平均的なアクティブファンドの成績は上回りそうですが)。







 それから既に書いたことですが、S&P500については、教授も最後の箇所で人気が出過ぎたことによる運用効率の悪化が起こったことを認めていらっしゃいます。


 市場全体を捉えるインデックス・ファンド、或いは、それを意識したポートフォリオを自分で組まない限り、こういった事態も生じるということは頭に入れておくべきなのでしょう。


 なお、システムトレード/勝利の法則のCHAROさんによると、S&P500はインデックス・ファンドの中でもパフォーマンスがあまり良くない部類だそうです。







 インデックス・ファンドについては、それがより良い選択であることは確かでしょう。


 しかし、個々人の運用方針をも考えた最適な選択かというと、異なってくることもあると思います。


 例えば、市場全体に投資して、自分が絶対に投資したくない会社にお金が行くのは嫌って方にとっては、いくら儲かるからと言われても買いたくないはずです。


 また、確率的にそれが一番正しいと言われても、実際に長期でインデックスを上回る成績を上げていく投資信託も存在します。


 さわかみファンドのレポートで、澤上篤人さんが書いていらっしゃいましたが、さわかみファンドのモデルの1つとなった米国のICAという巨大ファンドは、1934年はじめから2006年末までの73年間で年平均12・8%(米国株式市場が11・3%)の成績をあげたそうです。


 まあこの数字とて、今後の運用成績を保証するものではありませんが。


 結局、何を信じるかは個人の自由。


 一攫千金を夢見て宝くじを買う人に対して、「そんな馬鹿なことはおよしなさい。確率的に当たることはありえませんから。」などと知的なアドバイスをしていても、実際に当たればそんな確率論はすっ飛びます。


 それぞれが、自らこれと信じることをやってればいいのかなと思います。







 あ、因みに、確率論どうこうはおいておいて、金太郎さんは金儲けには宝くじを買えとはとても言えませんよ。


 金太郎さんの祖父(故人)が宝くじが大好きで、たっぷり投資(?)したのですが、一向に当たること無く、生涯成績を後で計算してみたら家が建っていたのが判明しましたから(笑)。


 以来、金太郎さん一族にとって、宝くじは悲しい悲しい思い出となっています。


 それでかどうかは知りませんが、現在、一族の中に、今度はパチンコをやってみようという人が現れました。


 こちらも負け倒しているようですが、本人がそれで楽しいのですから、遊び金でやる限り別にいいかなと思います。


 後で負けた額を概算してみると、悲しくなるかもしれませんけど(笑)。


 逆に、パチンコに行くと必ず勝つ「こち亀」の両さんみたいな人も知っています。


 この人に、「確率的には株式の方が儲かるから株式投資をした方がいいですよ。」なんていうアドバイスは、とてもできません。


 同じ理屈で、デイトレやスイングトレードをやって実際に成績を出している方に、「長期投資の方が楽に儲かりますよ。」ってなアドバイスもできません。


 これは市場平均を下回る成績でも同じです。


 その人にとっては、取れるかどうか分からない長期投資の成績よりも、今現在、ちょっとでも勝てていることの方が重要かもしれないですしね。


 ただ、堅実に着実に資産を増やしたい人、上記の人のような才能を持ち合わせないと分かっている人には、「マルキール教授に従っておけばいい。」と言うでしょう。


 もっとも、付け加えて「せっかくですから、投資で自己実現すべく少しリスクを取って、応援したい企業の株を1つくらいは持ってみてはどうですか?」とも言うでしょうね。


 それから、個別株で自分で運用している人と、全てインデックス運用している人と、どちらが好きですかと聞かれれば、間違いなく「自分で運用している人です。」と答えます。


 それはね、投資は資産を増やすための手段だけではないような気がしているからです。







 話を宝くじに戻すと、祖父のこともあって金太郎さんは買ったことはありません。


 個人的には、夢を買うなら1枚でいいかなと思います。


 いつかそんな1枚を買う機会があればいいですね。


 当たる確率は低くてどうみても投資対象にはならないけれど、それでも一攫千金を夢見て大量に買いたい方、止めはしません。


 外れてもそのお金が回りまわって、懐に戻ってくることだってあるでしょうしね。


 昔の人は良い言葉を残しましたよ。


 金は天下のまわりもの。


 したり顔して、使い道もないのに一生懸命貯め込んでいる人間よりは、よっぽど世の中のお役に立っているかもしれないのです。


 おしまい。







<心に止めておきたい偉大な先人達のお言葉>


ラフマス(B. Laffemas)
 ぜいたく品を買うすべての人々は貧しい人々の生活を支えているが、守銭奴は彼らを貧苦のうちに死なせている。


バーボン(N. Barbon)
 浪費は、個人にとっては損害をもたらす悪徳であるが、経済活動にとってはそうではない。貪欲は、個人にとっても経済活動にとっても悪徳である。


ホブソン(J.A. Hobson)とママリー(A.F. Mummery)
 貯蓄は個人と社会を富ませ、消費は両者を貧しくするという主張は、貨幣愛こそ経済的幸福のみなもとという考えから出ている。しかし、このような主張は支持しがたい。過度の貯蓄は社会を貧乏にし、労働者から仕事を奪い、社会全体に不況をもたらす。


マルサス(T.R.Malthus)
 過度の貯蓄は消費を抑えて生産意欲を損ない、富の蓄積を止めてしまう。そのため一国にとっては有害である。


「不況のメカニズム」より抜粋


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コメント
この記事へのコメント
フッフッフッ・・・
やはりここは、皆様の御期待に応えて、再び私の出番でしょうかね・・・

まず始めに、補足です。
S&P500はインデックスファンドの中では、パフォーマンスの良い部類には入らないと思いますが、悪いってほどではないと思います。

根拠は、この記事
http://haisyatosyosyanogame.10.dtiblog.com/blog-entry-250.html
で見たグラフだけなので、はっきりしたことは言えません。

S&P500は、日本のTOPIXに比べて欠点の多いインデックスであると思っているのは事実ですが。

実際、配当金太郎さんが指摘している通り、S&P500のパフォーマンスが低めになる合理的理由があるので、私の心はS&P500から離れてきています。

世の常として、皆が人気に群がった時は、既に乗り遅れであることが多いですからね。

なので、ETFの購入に関しては、まだ人気化していないETFの中から、将来有望なものがないかチェックしてみる価値がありそうですね。

実は、1周年記念の記事の一つは、そのことについて書くつもりでいます。

やっべ~
心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなくかきつくっていたら、何を書きたかったのか忘れてきました・・・

とにかく、宝くじを一度も買ったことがないのが私の自慢です!!
馬券も買ったこと無いです!!

でも、株で大損したことはあります・・・

配当金太郎さんの記事を見ていると、どうしても再度裁量に取り組みたくなってきます。

ブログ開設1周年を記念して、これまで培った知識・経験・勘を総動員して、これぞって思う1銘柄を買ってみるのも面白いかも・・・その時は、私の暴走を止めてくださいv-106v-107
2007/07/25(水) 19:51 | URL | CHARO #-[ 編集]
投資の効率やリスクも大事ですが、自分が納得したものに投資が一番かな。
人に薦められたものに投資して儲かってもそれほど嬉しくないし、損したらショックが倍増。
自分でこれだと思うものに投資しそれがうまくいけば最高ですね。
ある意味儲けることより大事なのかと思ったりも。
でもそれを考えると投資ってなんなんだろうって混乱したりもします。
2007/07/25(水) 23:21 | URL | 京 #-[ 編集]
投資とは何か?
とっても深い問いかけですね。
資産形成というのもあるんですけど、投資の醍醐味は自分の考えを形にすることじゃないかなと。
こんな世の中であって欲しいとか、こんな会社に生き残って欲しいとかね、そういった希望を株式購入で会社に託す。
長期投資の場合は、結婚に近いですよね。
失敗するかもしれないけど、とりあえず一緒にいてみよう、みたいな(笑)。
でも、実はそうやって色々と考えさせられること、それ自体が投資のホントの意味なのかも。
2007/07/26(木) 00:57 | URL | 京さんへ #-[ 編集]
補足ありがとうございます。
早速、表現を訂正しておきました。

僕はね~、宝くじも馬券も買ったことはないんですけど、友人に連れられて行った競艇場で舟券を買ったことはありますよ。
ガチンコと言われた1・2倍の舟に1000円賭けてね、200円儲けました。
もう一生行く予定はないので、生涯成績は1勝0敗で200円の勝ちです(笑)。

暴走を止めれるかどうかは分かりませんけど、銘柄をこしょっと内緒で教えてくれたら、参考にもアテにもできない僕の意見を内緒のコメントでこしょっと書いておきますよ(笑)。
2007/07/26(木) 01:03 | URL | CHAROさんへ #-[ 編集]
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