株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 投資を始めてはみたものの、今一つ成績が上がらない。


 投資信託を購入してみたが、1年経ってよく見てみると成績が東証株価指数などのベンチマークを上回っていない。


 投資は資産増加のためだけにやっているのに、なんだかうまく運用できてないぞ。


 そんな悩める方にお勧めの本が、ウォール街のランダム・ウォーカーです。


 著者はバートン・マルキールさん。


 アメリカの名門・プリンストン大学経済学博士、同大学経済学部長を経て、大統領経済諮問委員会委員、エール大学ビジネススクール学部長、アメリカン証券取引所理事等を歴任。


 現在はエール大学経済学部教授にして、バンガードグループなどの社外重役も務めるパリパリの経済学者です。


 500ページに迫る分厚い内容ですが、今までに起きた歴史的なバブル現象の解説に始まり、テクニカル分析やファンダメンタル分析の問題点、結局、何が最も確実に高いリターンをもたらしてくれる投資法なのか、年齢や性格による最適なポートフォリオの組み方まで、一流の学者さんらしい実に論理的で説得的な記述がなされています。


 投資家のバイブルとも呼べるような本で、既に原著では第9版まで出版される人気ぶりのようです。


 金太郎さんは新版を読みましたが、日本でも既に新しい版が2007年5月に発売されています。


 できれば最新の版を読んでおくのがよいでしょう。







 さて、細かい内容は読んでもらうとして、この本の考え方の元になっているのが「効率的市場理論」(効率的市場仮説)というものです。


 世界中の投資のプロが、目を血眼にして銘柄発掘を行う結果、株価はその時々において最適な値となっているという考え方です。


 この「効率的市場理論」にも狭義(ウィーク型)と広義(セミストロング型、ストロング型)があるそうです。


 狭義では、過去の株価に基づくテクニカル分析が、投資家が将来の株価を予測するにおいて全く役に立たないとして否定されます。


 金太郎さんの薄っぺらい経験でも、テクニカルに騙されることが数多くありました。


 経験上、テクニカルが当たるのと外れるのとは半々です。


 しかも、テクニカルで当たって気を大きくし、ちょいと額を大きくして突っ込んだところでドカンと裏切られるため、勝ちか負けかでいうと大負けです。


 著者のマルキール教授も、テクニカル分析やその信者については徹底的にこきおろしています。


 これに加えて広義の場合は、ファンダメンタル分析もまた無意味であるとします。


 企業の利益や成長、その他、現時点でアナリストの分析対象となる既知の情報は、全て株価に織り込まれていると考えるのです。


 結果、ランダムに発生する新たな情報が舞い込んでも、すぐに株価の修正がなされ、これに乗じて儲けるという手段もあまり効果がないということになります。


 そして、情報も限られた個人投資家は、いつの時点においても、投資のプロが一生懸命調査・研究した結果つけられた最適な株価で株式を購入できるとされます。


 ストロング型に至っては、インサイダー情報など未知の情報ですらも意味をなさないとするようです。


 ここまで行くとさすがに疑問符がつきますね。


 状況があまり変わっていない中でも、株価は大きな波を形成していますからセミストロング型の考え方も、問題があるかなという感じです。


 真に効率的であるなら、株価が上がり過ぎることも下がり過ぎることもないはずでしょう。


 もしかすると、今後そういう時代が来るのかもしれませんが、現時点ではマルキール教授もここまでの効率性は認めておらず、中間的な立場のようです。


 個人的には、市場は効率的市場理論の信者が信じる程効率的ではないが、かといって、これを否定してしまう程に非効率でもない、正に絶妙のバランスを保とうと揺れながら動いているのかなという感じです。


 ただ、かなり高いレベルで効率的に市場が形成されていることは事実でしょうから、投資情報を持たない多くの人にとって一番良い選択は、マルキール教授のおっしゃるようにインデックス・ファンドへの長期投資となるでしょう。


 ここで気をつけておきたいのが、インデックスの種類です。


 マルキール教授が指摘していることですが、教授がS&P500指数に連動するファンドを推奨したために、その組入銘柄の株価がかさ上げされ、結果的に割高となって運用効率に影響を及ぼしてしまったらしいのです。


 市場全体に投資するタイプのインデックスでないと、人気が出ることによって却って運用効率が落ちるという皮肉な結果が生じるみたいですね。


 最適な運用方針が行き渡る頃には、その運用方針は最適ではなくなっている。


 これもまた歴史が証明していることであり(実際、そのような記述が本書の中にあります)、気を付けておきたいところです。


 そして、このような場合、皆が買うS&P500ではなく、ここに入っていない銘柄群の方が「割安」となっている可能性があります。


 ここでもまた、「人の行く道の裏に山あり花の山」という格言が当てはまるのかもしれません。


 結局、情報を持たない個人投資家にとっての最適の株式ポートフォリオとは、世界の市場全体に対して市場規模に応じた額を投資しておくことでしょう。


 勉強不足で、そのような都合のいい投資信託の存在はまだ知りませんけど。







 さて、このような結論が出たわけですが、はっきり言って資産は増えるかもしれないけど、面白くもなんともありません。


 マルキール教授は親切な方のようで、そんな山っけたっぷりの方にも、出来る限り損をしないで株式投資を楽しむためのアドバイスもされています。


 これは読んで確認してみて下さい。


 金太郎さんは、自分が考えていたことと同じ指摘をマルキール教授がされていたので、ちょっと嬉しくなりました。


 マルキール教授の御託宣に従っていれば、必ず良い老後が迎えられます。


 迷える子羊達よ、共に祈りましょう……。


 アーメン………。  (ー+ー)








ウォール街のランダム・ウォーカー







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コメント
この記事へのコメント
気合の入った記事ですね。私の投資信念がビシビシと刺激されます。

この効率的市場仮説とは、私のシステムの根幹を成す考え方なので、避けて通ることはできません。

システムトレードと言えども『市場はある程度効率的である』ということを受け入れなければ、継続的に勝ち続けることはできないと思っています。

ですが型で言えば、私が支持するのはウィーク型でしょうか。(行動ファイナンスが盛んになってきてからは、効率的市場って考え方は怪しいって思われているらしいのですが、私も実体験からそう思います。むしろ心理的バイアスがあるから、平均以上のパフォーマンスを上げるのが難しいとかなんとか・・・らしいです・・・v-393

なので、市場はしばしば間違いを起こし、バーゲンセールが開かれますが、その時に買っておけば、そこそこ効率的な市場は、本来の価値を評価する方向に動く傾向があるので、高確率で利益を得ることができると思うのです。

ただ、そのバーゲンセールの割引率が、スーパーの冷凍食品のように均一ではないので、期待通りに事は運ばないわけですが・・・

まるで、時間経過とともにラベルが上から重ねられていく、閉店間際の御惣菜のようです。タイミングが難しい・・・

S&P500に関しても、インデックスファンドの中ではパフォーマンスが良くない部類に入るようですね。

日本のTOPIXのように、市場全体の動きを表す指標に連動するETFがあるといいと思うのですが、少なくとも楽天証券の取り扱っているETFには無いようです。残念ですね。

書きたいことがありすぎて、まとまりの無いコメントになってしまいました。

が、最後に一つだけ・・・
敗者のゲームのチャールズ・エリス
ウォール街のランダム・ウォーカーのバートン・マルキール
二人とも我こそインデックスファンドの生みの親みたいなこと言ってますけど、実際どっちなんでしょうね?
2007/07/24(火) 23:01 | URL | CHARO #-[ 編集]
ウォール街のランダム・ウォーカー…

懐かしかったです^^♪
何の授業だか忘れましたが、大学の教科書として使いました。
不真面目学生だったため全然授業に出ていなかったのが、
今になって悔やまれますv-37

もっと勉強しておけばよかったv-12
2007/07/25(水) 00:08 | URL | さんた #w8Nxp8Ls[ 編集]
わ~い、ピンポイントでやっぱりコメントくれた!
読み通りですよ~!
(≧▽≦)b
これくらい相場の先が読めるといいのにね。
(T_T)

僕も経験上、ウィーク型は支持します。
ファンダメンタル面に関しては、織り込みの有無ではなくて、むしろ「現在の株価には、どのような条件で、どのくらい先までの価値が織り込まれているのか」が重要ではないでしょうか。
そして、その織り込まれた株価に対して、自分がどのような判断を下すのか。
ここがポイントではないかなと思っています。
市場のシナリオが分かれば、自分のシナリオも描きやすいですよね。
将来のことなど誰も分からないのですから、ここが難しいところですけど。

買い時も確かに難しいです。
買わなければ始まらないので、納得できるところまで下がったらとりあえず買いを入れてみるのがいいかなと。
そして、新たにできる余剰資金ないし、元々手元に残した余剰資金で、更なるディスカウントプライスになった時に買い下がっていく。
もちろん、潰れない、ある程度の成長が見込める、最悪でも大赤字を出す経営ではなさそう、といったことをよく考えておくことが必要でしょう。

アメリカ市場の大部分を捉えるインデックスファンドもあるようですけど、日本では販売されていないのかな。
僕は、まだお目にかかったことがありません。
おっしゃる通り、ETFでそういうのが出来るといいんですけどね。

よく勉強されているところでしょうから、書きたいことが山ほどあるでしょうね(笑)。

産みの親は、どっちなんでしょうね。
マルキール教授の方は、バンガードと繋がりがあるみたいですから、少なくともバンガードのインデックスファンドに関しては、産みの親といっていいかもしれません。
二人共、ビジネスマン。
売り込みとセールストークが御上手なようですから、譲らないでしょうね。
真理は別のところにあるかも(笑)。
2007/07/25(水) 00:35 | URL | CHAROさんへ #-[ 編集]
勉強はいつだってできますよ。
興味の無い時に勉強したって、大して理解も出来ないでしょうから、興味のある今こそ読み直されてみては?
きっと面白いように頭に入ってくるはずです。
僕もまだまだ読みたい本がたくさんあるんですけど、いかんせん時間が~!
2007/07/25(水) 00:45 | URL | さんたさんへ #-[ 編集]
このコメントは管理者の承認待ちです
2007/07/31(火) 00:23 | | #[ 編集]
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