株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

複合不況」は、「国民経済の黄昏」が出版されるずっと前、バブル崩壊直後に書かれた本です。


 著者は同じく、経済学者で京都大学名誉教授の宮崎義一先生。


 バブル崩壊後の不況が、従来の在庫調整型の不況ではないことを指摘した名著です。


 「国民経済の黄昏」よりも、詳細なデータや図表を数多く載せており、難易度は高いです。


 こちらは、「国民経済の黄昏」を読んで興味が出てから読むといいと思います。


 大まかな内容は一緒ですが、「国民経済の黄昏」の方が概説書に近く、大雑把に理解できるからです。


 すんげぇ久しぶりに読んでみたけど、昔と違って理解できた(つもりになれた)ので、面白かったです。


 例によって、印象に残った部分を書き留めておきます。







 経済学者ケインズの言葉から。


 名著「雇用・利子・貨幣の一般理論」の中で指摘された美人投票のアナロジー(類推)。


 以下、本文より抜粋


『投票者が100枚の写真のうちから最も容貌の美しい6人を選択し、その選択が投票者全体の平均的な好みに最も近かった者に賞品が与えられる新聞投票に見立ててもよいだろう。


 この場合には各投票者は彼自身が最も美しいと思う容貌を選ぶのではなく、他の投票者の好みに最もよく合うであろうと思う容貌を選択しなければならないのであって、しかもどの投票者もすべてこの同じ見方でこの問題を眺めているのである。


 それは1人の人物が自己の最善の判断に立って、真に最も美しい容貌を選ぶケースでもなければ、また平均的な意見が真実最も美しいと考える容貌を選択するケースでもないのである。


 われわれは平均的な意見がどのような平均的意見を期待するかを予見するだけにすぎない。


 ケインズは、このような予見に動かされる株式市場を通じてしか投資行為が行われないならば、「社会的に最も有益な投資政策(socially advantageous investment policy)が、最も利益の多い(キャピタル・ゲインの多いー引用者(宮崎義一先生のこと))投資政策(most profitable investment policy)と一致するという明白な証拠は経験からは得られない。」と厳しく批判している。


(感想)

 ケインズの美人投票のアナロジーは有名ですが、このような批判を加えていたんですね。


 このような予見に動かされずに、自分で企業価値を判断して投資できるようになりたいものです。


 でも、この批判から考察すると、それが利益を生むとは限らない……難しいですねぇ。


 まあでも、よく知らないブランド品をファッション雑誌に出たからといって買い漁るのと同じで、自分で価値があると思えばいいんじゃな~い。


 金儲けと思ってやるから、株価が下がった時にうろたえるんで、普通の買い物と思えばね。


 ………金返せ。







 銀行の貸し渋りについて、BIS規制の存在を指摘していました。


 野放図な貸出を規制するために、自己資本比率の下限を設定して、それを下回る貸出を認めないというものです。


 銀行が貸したくても貸せないという事態になり、クレジットクランチ(信用逼迫)の一因になるという内容でした。


 いろんな要素が絡んでくるんですねぇ。


 だから「複合不況」だったんでしょうけど。


 不況は徐々に抜け出してきましたけど、これからの銀行の役割って何でしょうね。


 資金は証券市場で調達すればいいし、ベンチャーキャピタルとかもあって、間接金融の必要性が薄れていますし。


 銀行同士で合併しても、新たなビジネスは生まれないから、バブルの時にケチがついたもん同士、証券と一緒になるってのが理想的でしょうか。


 今のところは、金融商品取引法33条(2007年9月の施行までは、証券取引法65条)で銀行と証券の兼業が禁止されているようですけど。


 どっちを向いても手数料。


 ついでにロクでもない商品を勧められて、資産をどんどん食い潰してくれそう……恐ッ!(笑)







 以上、複合不況の感想でした。


 こちらは、ちょっと難しいので先に国民経済の黄昏を読んだ方がいいです。


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コメント
この記事へのコメント
いつも行っている図書館にあるかどうか検索してみたんですが、残念ながらなかったです。
経済小説はあまり充実してないですね。
どこかで見かけたら是非読ませてもらいます。

ケインズの批判はもっともですね。
他の人買いそうな銘柄を探すより、自分がいいと思った銘柄を買いたいものです。
そしてそういう人たちが儲かってほしい。
2007/05/19(土) 23:20 | URL | 京 #-[ 編集]
古い本ですしマニアックですから、どこにでもあるわけでは無さそうですね(笑)。
読んでおかれると、今後の世界経済の予測や投資戦略に役に立つと思います。
現在何が起こり、どの方向に向かっているのかを知る手掛かりを与えてくれますよ。

僕も他人の尻馬に乗る投資は好きではありません。
自分で価値のあると思う会社に投資し、間違ったら原因を勉強して次の選択で生かしていく。
資産が増えたら、おまけがついて2度美味しいってやつですよ。
2007/05/20(日) 00:05 | URL | 京さんへ #-[ 編集]
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