株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。

 巷で何回も報道されている三角合併の解禁です。


 これから頻繁に敵対的買収が行われるのかどうかは分かりませんが、企業の経営陣にとっては戦々恐々といったところでしょうか。


 各種の防衛策も、裁判所に行ってみなければその最終的な有効性は分かりませんし、実際上は敵対的買収に対する予防線の意味合いが強いのかなと思っています。


 今回の三角合併解禁の一番の効果は、経営陣が株主を向いた経営をせざるを得なくなったことでしょう。


 遊休資産は処分して効率化を図り、増配により株価を高く維持。


 無駄な設備投資をして経営を危うくすることも、買収の危険を増大させるでしょうし。


 株価を下げる要因を嫌えば、自然とCSR(企業の社会的責任)にも目が向くでしょう。


 良い意味で緊張感のある経営をしてくれれば、恩恵は株主、そして日本社会にも訪れるハズ。


 経営者の方々の奮起に期待しましょう。







 大合併時代到来……となるかどうかは分かりませんが、投資ファンドが買収の際の目安とするというEV/EBITDA倍率について、少し勉強してみました。


 EVは Enterprise Value の略で企業価値のことです。


 時価総額に純負債(有利子負債から現金同等物を引いたもの)を加えて算出します。


 EV = 時価総額 + 有利子負債 - 現金同等物


 時価総額というのは、株価に発行済株式総数をかけた値で、株式を全部買い集めるのに必要な金額を表します。


 時価総額分を払えば100%株主になれますが、実際には企業が抱える負債もついてくるので、この負債を返還するための額を加えて企業価値を算出しようということですね。


 一方、EBITDA(イービットディーエー)は Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization の略で、利払い前、税引前、償却前利益をいいます。


 各国によって異なる金利、税率、会計基準の差を無くし、企業の利益水準がどれくらいかを表します。


 営業利益に減価償却費を加えた額に相当するようです。


 営業利益は企業の本業での儲けを示し、減価償却費は実際には既に支出されている資金を会計上何年かに分散して費用計上するものでした。


 そして営業利益は、この減価償却費を引いた額が算出されています。


 そこで、引いた減価償却費を営業利益にもう一度足すことで、実際に当該年度において儲けた額、即ちEBITDA(イービットディーエー)が分かるというわけです(税金や金利による影響は営業利益算出の後で計算するので考慮に入れなくてよい)。


 さらに、企業価値(EV)を実際に企業が儲けた額(EBITDA)で割ることによって、買収に投じた資金が何年で回収できるかが分かります。


 これが、EV/EBITDA倍率です。


 この倍率(年数)が少ない程割安である、即ち買収に適した企業であるということが分かるというわけです。


 私が見た雑誌では、低倍率銘柄ランキングとして、2倍から5倍程度の企業がズラズラと紹介されていました。


 実際の有効性については、投資ファンド等の内実を知らないので分かりません。


 ただ1つ思うのは、私ならその国の会計基準や税率、金利を見た上で、その企業が持つ固有の強みを勘案して買収するかどうかを決めます(ああッ、ここまで一生懸命書いたのに、身も蓋もない発言ですよ!)。


 大雑把な話で申し訳ないですが、耳慣れないこの数字と格闘するよりは、PERが低くて(実際、EV/EBITDA低倍率ランキングを見るとPERの低い銘柄が多く、平均で13・3倍、高くても19倍程度)株主資本比率が高くて営業キャッシュフロー(税引前当期純利益+減価償却費をベースに計算)をきちんと稼いでおり、固有の強みが分かる企業(特殊な技術を持っている等)を選んでおけば、そうハズレてないと思います。


 要するに、割安でこれいいなと思うモノを持った企業ってことでしょう(省略しすぎか?)。


 実際に買収対象になるかどうかは、また別問題でしょうけどね。


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<追記>


 この指標については、その後、文献を読むうちに、どうやらウォール街のあほお共が考え出したものではないかということが分かってきました。


 投資家にとっての最重要事項は、「今後」における損益計算書の最後の一欄、最終的に株主に帰属する利益がいくらであるのかということです。


 税金やら減価償却費やらが引かれる前の利益で比較してみても、実際に株主たる投資家に帰属する利益が低いのでは話になりません。


 これは高い買収を正当化するために、利用されることもありえる指標だと思います。


 例えば、極端な話ですが、法人税率が100%かかる国の企業を買収することを考えてみてください。


 この指標では、もっともらしい倍率で企業価値が割安に見えるような数字が出てくると思います。


 ところが、実際に株主に帰属する利益というのは、法人税で全て持っていかれて「0」です。


 このような企業を買収することが合理的でしょうか?


 また、巨大な設備投資をした直後で、今後数十年にわたって巨額の減価償却費を計上し続けなければならない企業の買収にしてもそうです。


 この指標では割安に見えても、実際には巨額の減価償却費のせいで、将来的な最終利益は抑えられ続ける可能性があるのです。


 このように、この指標は投資家にとって本質的に重要な問題を覆い隠してしまう可能性があります。


 そのことを投資家はよく知っておかねばならないと思います。