株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。


 投資を始めて、PERやPBR、ROEといった指標にはすぐ慣れましたが、今ひとつ分からなかったのが時価総額の重要性です。


 大きければでっかい会社、くらいで、でっかいから良いわけでないだろうと。


 それはそうなのですが、でかいと良いこともありますし、使い道もありました。


 私なりの時価総額の使い方を書いておきます。


 ポートフォリオを作るときに、少しは役に立つでしょう。





 時価総額は1株株価に発行済株式総数をかけて算出する数字で、会社まるまる全部の市場価格です。


 大きくなるにはそれなりに時間もかかりますから、逆に潰れるのにも時間がかかります。


 雇用もたくさん抱えているため、政府もおいそれと潰すわけにはいきません。


 船でいうと、水漏れが生じても沈没までの時間が比較的長く、逃げ出す余裕ができます。


 現在も格好の例がありますが、まあ言わずもがなでしょう。


 私も投資先2社ほど沈没されましたので、それと比較してこのヌルさ加減はどんなもんかいなと、感心しきりであります。


 つまり、時価総額が巨大だと、何かあっても逃げる余裕ができる。


 これは、情報も少なく相場に張り付く暇もない個人投資家にとって、なかなか大きなメリットです。


 情報という点でいうと、時価総額が大きい企業の方が、マスコミにも頻繁に取り上げられて、判断の材料を提供してくれるので、これもプラス。


 実際、ビジネス雑誌などでは、大きな企業の社長さんのインタビュー記事もあり、人となりや実際の行動との比較なんかもしやすいです。


 ちなみに、個人的な経験ですが、現在苦境に陥る某企業の話を1つ。


 この企業、投資を検討したことも当然あり、何代か前の社長さんがインタビュー記事で「哲学」を語っていました。


 その時は、「ほう、なるほど」と感心したのですが、後に実際の行動で哲学などないようなことをやってくださり、ありがたく投資対象から排除しました。


 現在に至り、潰れかけている実状を見るにつけ、さもありなんと、納得すること大です。


 会社の代表者の顔が見えやすいのは、時価総額の大きな企業のメリットの1つでしょう。



続き



 ちなみに、日本企業で最大の時価総額はトヨタ自動車で、現在20兆円くらいです。


 この数字を抑えておくと、トヨタと比べてどの程度の規模なのか、比較ができます。


 また、ポートフォリオの基本のお話で、東証株価指数トピックスを基準にしてみたらというお話を書きましたが、そのトピックスは時価総額基準です。


 つまり、ポートフォリオを自分で作っていく場合、この時価総額の比較によって、おおよその組入比率を決めることもできます。


 時価総額でトヨタの半分だから、組入比率もとりあえず半分で、みたいに考えておいて、その後の状況で比率を上げ下げしていく、といった感じです。





 余談ですが、この時価総額基準の指数も、市場の評価に合わせるべく、企業の浮動株、つまり実際に市場で取引されうる株式数を基準にする方向なんだそうです。


 浮動株というのは、特定の大株主、固定株主が保有する株式を除いた株主の保有株で、いつ市場で売却されてもおかしくない株式のことです。


 四季報にも浮動株比率が出ているので、実際にどのくらいの株式が市場で売買されうるのか、すぐにわかります。


 そもそも市場での売買を考えていない株主の保有分を計算に入れても、それは正しい市場評価額とはいえないのではないか、という考え方が背後にあります。


 そこで、時価総額に、浮動株比率を小数にしてかければ、実際の市場評価額とみなせる数字が出てくるんじゃないかというお話です。


 この数字を用いて組入比率を考えることもできますね。


 例えば、時価総額1兆円の企業Aの浮動株比率が40%だった場合、この企業の市場評価額は4000億円。


 別の企業Bが同じく1兆円の時価総額だが、浮動株比率は30%というとき、この企業は市場評価額が3000億円。


 よって、AとBの相対比率は、とりあえず4対3でみたいなことです。


 市場と同じポートフォリオを作るのが目的ではないので、こういったやり方もあるよという参考くらいに考えておけばいいと思います。


 組入比率を考える手掛かりの1つですね。