株の配当金を狙った長期投資を実体験を踏まえて研究。


 時価総額のお話の続きです。


 配当利回りランキングには、時価総額1000億円以上の企業に絞ってランキング検索した結果を掲載してきました。


 参考にしていた日経新聞の利回りランキングが、このような制限をしていたので、その形式をずっと続けています。


 2017年4月26日現在で、日本市場では758社が時価総額1000億円以上に該当します。(ヤフーファイナンス調べ )


 時価総額1000億円に明確な意味はないと思われますが、社会的に一定の規模の需要ないし期待があるということは、一般的に言えそうです。


 時価総額最大のトヨタ自動車が20兆円程度ですから、時価総額の規模では200分の1の数字。


 東証1部の時価総額が570兆円程ですから、こちらとの比較だと市場の0・0175パーセントにあたる数字とも言えそうです。


 こうしてみてみると、時価総額1000億円といっても、吹けば飛びそうに感じてしまうから不思議ですね。


 ポートフォリオを考えるとき、よっぽど自信がない限りは、この縛り(時価総額1000億円以上)の中で構成を考えた方が無難だと思います。


 個人的には、もうちょっと高い制限を課してもいいかなと考えているくらい。


 ちなみに、私個人のポートフォリオでこの縛りを外れているのは、一応マトモといえる企業で2、3社程度。


 他の1社は問題を抱え株価低迷、1社は上場廃止。


 どうだ、えっへん!


 (注:当然威張れることではありません)


 随分と投資対象が絞られたのではないでしょうか。





追記


 今まで投資してきた企業を含めると、それはそれはキリがないことになります。


 買収されて上場廃止、その他の理由で上場廃止、大赤字出してズッコケ、低いパフォーマンスで投資した意味を見いだし難い、などなど。


 時価総額の低い企業への投資は、見る目が備わってきてからの方が良いと思います。


 まあ、さっさと失敗して先に痛い目を見るのも、投資を理解する1つの方法ではあるでしょうが。




 投資を始めて、PERやPBR、ROEといった指標にはすぐ慣れましたが、今ひとつ分からなかったのが時価総額の重要性です。


 大きければでっかい会社、くらいで、でっかいから良いわけでないだろうと。


 それはそうなのですが、でかいと良いこともありますし、使い道もありました。


 私なりの時価総額の使い方を書いておきます。


 ポートフォリオを作るときに、少しは役に立つでしょう。





 時価総額は1株株価に発行済株式総数をかけて算出する数字で、会社まるまる全部の市場価格です。


 大きくなるにはそれなりに時間もかかりますから、逆に潰れるのにも時間がかかります。


 雇用もたくさん抱えているため、政府もおいそれと潰すわけにはいきません。


 船でいうと、水漏れが生じても沈没までの時間が比較的長く、逃げ出す余裕ができます。


 現在も格好の例がありますが、まあ言わずもがなでしょう。


 私も投資先2社ほど沈没されましたので、それと比較してこのヌルさ加減はどんなもんかいなと、感心しきりであります。


 つまり、時価総額が巨大だと、何かあっても逃げる余裕ができる。


 これは、情報も少なく相場に張り付く暇もない個人投資家にとって、なかなか大きなメリットです。


 情報という点でいうと、時価総額が大きい企業の方が、マスコミにも頻繁に取り上げられて、判断の材料を提供してくれるので、これもプラス。


 実際、ビジネス雑誌などでは、大きな企業の社長さんのインタビュー記事もあり、人となりや実際の行動との比較なんかもしやすいです。


 ちなみに、個人的な経験ですが、現在苦境に陥る某企業の話を1つ。


 この企業、投資を検討したことも当然あり、何代か前の社長さんがインタビュー記事で「哲学」を語っていました。


 その時は、「ほう、なるほど」と感心したのですが、後に実際の行動で哲学などないようなことをやってくださり、ありがたく投資対象から排除しました。


 現在に至り、潰れかけている実状を見るにつけ、さもありなんと、納得すること大です。


 会社の代表者の顔が見えやすいのは、時価総額の大きな企業のメリットの1つでしょう。




 ポートフォリオのお話です。


 目指すポートフォリオの形は、10前後の優れた企業群で、かつ相応以下の株価で構成されたもの、という一応の目標みたいなものをもちます。


 それで実際にすぐにその10前後の企業が見つかればいいのですが、素人がいきなり上場企業数千社の中からピンポイントで選び抜けるなんてことは、まあないです。


 なので最初は分散投資が必要なわけですが、それでも自分が知っている、自分の生活に関わりがある、そういった企業を選択して書き出してみれば、50社くらいは書き出せるでしょうか。


 知らないけれど興味がある企業も、含めて考えればいいと思います。


 とりあえず候補をずらずらあげてみて、その後でランク付けをしてみましょう。


 個人的な話をすると、そうやってあげた候補企業を以下の項目に分類しました。




核心的企業
 ポートフォリオの中核を担うべき企業


補助企業
 核心的企業に準じる企業


その他の企業
 株主優待や将来性を期待してといった理由で、保有したい企業





 他にも下の段階があって、何やってるかも全然知らない「無視する企業」、社会問題を起こして害を撒き散らす「敵視する企業」という項目もありますが、そもそもポートフォリオに入れることなど考えるべきでないので、これは当然放っておきます。


 そうした上で、あーでもない、こうでもないと、分類を考えました。


 次々と事件は起こりますし、いろんな情報に接して、分類も変化します。


 これは投資を続ける限り、ずっと永遠に続くことだと思います。


 それでも続けていくうちに、自分なりの企業観ができてきて、徐々に固定化してくると思います。


 長期投資ポートフォリオの出来上がりです。


 誰のものでもない、自分のポートフォリオです。


 いかなる状況においても、自分と共に世の中を渡っていく企業群であり、本質的には自分の資本でもってやっている自分自身の事業の集合体です。


 今風に◯◯ホールディングスと名前をつけてもいいかもしれません。



 基本ポートフォリオではなく、自分でポートフォリオを作る場合、独立系の投資信託を含めたアクティブファンドを複数組み合わせることもできるでしょうし、買付のやり方や景気の変動に合わせ待機資金の比率を工夫するのも立派な投資戦略だと思います。


 大事なのは、インデックスファンドを毎月一定額買うだけで、ほとんどのプロを上回るポートフォリオが出来上がってしまうという現実を直視することであり、この投資法の愚かな部分と賢明な部分をきっちり分けて認識することです。


 ほとんどの人間は、それが賢明だと考えて実際は愚かな投資法を採ると思います。


 周りを見れば、取るべき行動も自ずと分かるでしょう。





 次に、さらに踏み込んで、自分で株式を買ってポートフォリオを作る方法について考えてみましょう。


 これはリーマンショックを経験しながら考え、実践してきたことでもあります。



 日本円で生活する人の場合、バフェットお師匠と同じくS&P500で基本ポートフォリオを考えるのも1つの方法ではあります。


 しかし、以前に指摘した通り、為替で円高が進行する場合に増加分が目減りしてしまいます。


 参考(外国株式について) http://kabuhaitoukin.blog48.fc2.com/blog-entry-722.html


 なお、これに関しては、配当金の再投資をすれば投資成績は同じくらいという指摘も見かけました。


 身近な日本株を放っておいて、わざわざ同じくらいのパフォーマンスのところへ投資するのか、あるいは分散投資するのかは少々悩むところでしょうか。


 ここでは、とりあえずそういった難しい話はおいておき、まずは日本株を基本とし、東証株価指数TOPIX連動型のETFまたはインデックスファンドを基本に考えていきたいと思います。


 東証株価指数は時価総額基準で、市場で評価された時価総額に連動して指数が動く、客観性と連続性を備えた良い指数だと考えるからです。


 無論、日経平均や新たに設けられたJPX400のような指数でもいいと思います。


 ただし、どうしても構成銘柄が選ぶ人任せになる点は留意すべきで、この点をよくわきまえた上で、どういう指数なのか理解しておくことと、TOPIXにしない理由を自分なりにはっきりさせておくべきでしょう。


 株式投資にまわせる長期投資目的の資金の90パーセントを、このETFないしインデックスファンドで運用していく、というのが日本円で生活する人の場合の基本ポートフォリオということになります。


 残りの10パーセントは、待機資金として証券口座においておいてもいいし、よりよい利回りで運用できる預貯金があれば、そこで運用しておけばいいと思います。


 大事なのは、待機資金が減らないことと、定期的なポートフォリオの見直しの際に機動的に動かして新たな買い付けができることです。


 うまくいかない、うまくやる自信がないという場合、このやり方でも十分以上の投資成績が出せるであろうという意味で、常に以上の基本を意識しておくことは大切だと思います。


 なお、株式に投資する90パーセントの資金の突っ込み方ですが、投資を始めてすぐに90パーセントを全力で突っ込むのではなく、買い付け時期、すなわち明らかな株価の下落が自分で分かるまでは、十年かけて徐々に資金を入れていくくらいのつもりで慎重にやるのがよいでしょう。


 これはバフェットお師匠も指摘していたと思います。


 十年あれば、大きな株価の調整にお目にかかる可能性も高いでしょう。


 そこが突っ込みどころです。


 そこで怯むようでは、長期投資をやってる意味がないので、普段から心構えだけはしっかりしておきましょう。


 ちなみに、どれくらい下落するかというと、リーマンショックを含む金融危機の時に、2年かけて日経平均がおよそ18000円から7000円へ崩落。


 大恐慌の時には、ダウ工業平均が3年かけて10分の1にまで落ちていたと思います。


 日経平均も30年近く前のバブル最高値からすれば、38915円から7000円にまで落ち込んだことになります。


 恐ろしい事態ですが、肝心なことは落ちても間も無く回復すること、長期的には損など出しようがないこと、下がった時に買い増し上がったら売って待機資金を積んでおく賢慮によって、この打撃を和らげられること、です。


 できる人とできない人がいて、できない人の方が圧倒的に多いでしょうが、できる人なら株式市場で資産を増やすことは容易なことでしょう。


 ちなみに、普段ならばインデックスファンドを勧める経済学者さん(の1人)がリーマンショックのときに何を言っていたか。


 今は投資するにはリスクが高すぎる、です。


 アドバイスを聞く相手だけは間違えないようにしましょう。