日本の優秀企業研究は、日本のビジョナリー・カンパニーを財務状態等から選択し、共通する条件は何かについて考察した本です。
『ビジョナリー・カンパニー』と同じく、とても勉強になる本です。
違いと言えば、『ビジョナリー・カンパニー』が企業評価の尺度として株価を用いていたのに対し、こちらは売上高経常利益率や純利益といった指標で選んでいることです。
株価が落ち込んでいる時期に書かれたこと(2003年初版)、株価に対しては「株価などは、企業競争力の遅行指標なのである。」として、著者の新原さんが懐疑的な見方をしていることが影響しているのでしょう。
このあたり、アメリカと日本の違いかなと思い、興味深いものがありました。(実際、『ビジョナリー・カンパニー』を意識されたのかなと思う記述も見受けられます。)
ただ、選ばれた企業群を見ると、ほとんどの企業の株価が上がっています。
長期投資の参考になる本だと思うので、お勧めしておきます。
因みに、選ばれた企業群は以下の通り。
花王、キヤノン、シマノ、信越化学工業、セブンイレブン・ジャパン(現7&iHD)、トヨタ自動車、任天堂、本田技研工業、マブチモーター、ヤマト運輸
冒頭では、新原さんがたどりついた優秀企業の基本的条件が簡潔に記されています。
自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、
愚直に、真面目に
自分たちの頭できちんと考え抜き、
情熱をもって取り組んでいる企業
そして、この結論に至るまでの優秀企業の6つの条件が詳細に検討されています。
投資していると、色々と感じることも多いと思いますよ。
上記企業群では、マブチモーターの株価が元気がないですね。
そういや、ロボット関連銘柄でもありましたよ。
モーターは必需品ですもんね。
今後、巻き返してくるでしょうか。
馬渕元社長の、「利益は社会貢献に見合った限度でよい」という考えを示すエピソードも書かれていて、興味深かったです。
利益、利益、言うて全然利益をあげられない企業もあるのにね。
ここも金太郎さんの欲しい欲しい病に引っ掛かる企業さんですよ。
『ビジョナリー・カンパニー』と同じ点は、優秀企業の条件として利益以外の大切な価値観を企業文化に埋め込んでいるとの指摘。
一歩秀でている点は、企業を大事に思う優秀な社員を自社内で育てていることの指摘。
優秀な人物を集めるだけでは、長続きしないってことでしょうね。
『ビジョナリー・カンパニー』と合わせて読むと良いでしょう。
結局、優秀な企業は国によって違いなどないってことなんでしょう。
海外の個別銘柄に投資する際も、気を付けておきたいです。
恐らく後は、それを確認するだけじゃないかな。
日本の優秀企業研究とは考え方が違うとは思いますが、世界的に優良な企業を売られすぎと思ったところで買う。
単純にこのパターンで日本の優秀企業研究やビジョナリー・カンパニーの銘柄とある程度かぶってきそうだな~と思いました。
でも、創業者の井深大さんの理念は紹介されていました。
ソニーのように、もたもたしている企業もありますが、車輪が転がり出すと早いんじゃないですかね。
さて、ここでこしょっとな、サブプライムの元凶となったシティグループが売られて半値になってます。
ここは、ビジョナリー・カンパニーで取り上げられていたシティコープが前身です。
んんッ、ということは……。
現在、良からぬ考えが沸騰中です。
( ̄^ ̄) やばいよ~!
もひとつ、こしょっとな。
コマツ買っちゃった。
(^-^)v